昨年ドラフトの超目玉 ソフトB・田中正義が逆襲へ「五輪書で野球道究める」

2017年12月16日 16時30分

逆襲の2年目へトレーニングを続ける田中

 昨年、ドラフト会議の超目玉となったソフトバンク・田中正義投手(23)の1年目は、屈辱にまみれたシーズンとなった。5球団競合の末に鳴り物入りで入団し、即戦力と期待されながら、右肩の違和感などで一軍登板なし。「自分の思ったボールが投げられなかった一年。情けなかった」。挫折と苦悩…逆襲の2年目へ、黄金右腕が胸中を激白した。

 ――まずは1年目を振り返って

 田中:悔しい、情けないシーズンでした。5球団競合の末にくじ引きになってソフトバンクに決まった瞬間に、工藤監督と王会長がガッツポーズをされていた。その期待を裏切ってしまった。来シーズンは、今年のマイナス分を取り返すという気持ちです。

 ――苦しんだルーキーイヤーだったが、一番つらかったのはいつ

 田中:優勝パレードやファン感謝祭で掛けていただいた声援に、心から胸を張って「ありがとう」と言えなかったことですね。これは活躍するまで、ずっと苦しいと思います。この悔しさは一軍のマウンドでしか晴らせないし、結果を残していくしかない。だから、来シーズンは胸を張って「ありがとうございました」と言えるようにしたいです。

 ――この一年、考え方や人生観に変化は

 田中:いろんな人からアドバイスをいただいて、読む本が変わりました。今までは娯楽色の強い本が多かったんですが、今は、企業の経営者とか、いろんな世界で活躍している人たちの考え方を知りたいと思うようになりました。今は、そういう本を手に取るようになりました。エンターテインメント性の本から、そういう本にシフトしたのは今年からですね。

 ――それはどうして

 田中:自分から野球を取った時に何が残るんだろうと思ったんです。野球で活躍するのが一番なんですが、活躍していない日々が続いていたので、ふと「俺って何を持ってるんだろう?」と。それで考えてみたんですが、何も出てこなくて。いろいろ自分の中に知識や教養を入れないと“空っぽ”だなと思ったんです。今まで自分は野球だけで“コーティング”されていたので…。

 ――最近読んでいる本は

 田中:今はバンディー(バンデンハーク)に薦められた「五輪書」を読んでいます。バンディーが「お前が好きそうな本だから一度読んでみたら」と薦めてくれたんです。

 ――何か発見や考え方に変化は

 田中:僕は今まで野球を通して人間的に成長するということを、何となくでしか理解していなかった。剣の達人・宮本武蔵は、剣の道を究めることがすべての道に通じるという生き方をした。精神性の部分で心に響くものがありました。「五輪書」を読んで、自分もそれくらい野球道を究めたいと思いました。素晴らしい本に出合えたと思っています。

 ――結構読み込んだ?

 田中:原文と現代語訳の2冊買いました。まず原文を読んで、自分の解釈が合っているのか心配になったので、改めて本屋さんに訳本を買いに行きました。

 ――来季に向けて現在取り組んでいることは

 田中:いかに下(下半身)で投げるか。下の力を体幹で逃がさずに上に伝えられるか。確実に前に進んでいますが、まだ自分のイメージ通りにいかない部分もあるので、そこは練習するしかないです。

 ――来春キャンプでアピールしなければ

 田中:このオフは一日も無駄にできないと思っています。時間が足りないくらいの気持ちです。寝ている時に夢の中で練習をしている時もあります。(キャンプインの)2月1日までにどこまで自分を追い込めるか。たくさんの人に期待をしていただいている。大学の恩師(創価大学硬式野球部・岸雅司監督)に「人のためなら限界はない」という言葉を掛けてもらった。遅いかもしれませんが、その意味がこの一年でようやく分かりました。もうやるしかないと思っています。

 ――来シーズンに向けての青写真は

 田中:まずは開幕一軍を勝ち取り、一軍に居続けること。ボクは先発を目指しているので、一年間ローテーションを守ること。それができれば、結果や数字はおのずとついてくると思っています。

 ――最後に、本紙に公約を

 田中:公約ですか…、うーん…「日本一に一番貢献する」で、どうでしょうか。

 ――貢献度ナンバーワンとなると、タイトル独占やシーズンMVP級の活躍になる

 田中:それくらい活躍したいです。今年の分を取り返さないといけないと思っていますから。