ソフトバンク・柳田悠岐外野手（２９）が３０日、東京都内で行われたGグラブ賞の表彰式に出席。「素直にうれしい。いい思い出がまたできました」と２年ぶり３回目の受賞を喜んだ。
「大学時代は捕って投げるくらいしか考えていなかった」という柳田だが、いまではリーグを代表する外野手に成長。それでも本人は「まだまだヘタクソ。もっと安心して見てもらえるように」とさらなる高みを目指している。そんな背番号９にさらなる守備力向上を期待し叱咤激励するのが、自身もＧＧ賞ホルダーの村松外野守備走塁コーチだ。

　今季から一軍担当として柳田を指導する同コーチは「この１年だけを見ても成長を感じる」と評価する一方で「前と斜め前の打球の処理が課題。ああいう低めの打球が弱い。彼は下半身が硬いので粘りがない。柔軟性が大事だという意識がまだまだ低い」と指摘。意識改革を求めているが「彼の中で『スピード・瞬発系のタイプは（体が）硬いほうがいい』という固定観念があるみたいで、なかなか…」と同コーチは苦笑いを浮かべる。それでも根気強く柳田に柔軟性の大切さを説くのには、あの名手の姿があるからだ。

「イチローももともとはガチガチで硬かった。それが初動負荷トレーニングを取り入れたりして、柔らかくなっている。柳田も年を重ねるごとに気づいてくれれば」。現役時代にしのぎを削ったライバルが柔軟性を高めメジャー屈指の名手に上り詰めた姿を見てきただけに、柳田の“伸びしろ”に期待しているのだ。

　この日はＧＧ授賞式後に選手会納会出席と、福岡↓東京↓熊本の大移動。選手会納会では新選手会長に選出され、使命感に燃えている。