広島の鈴木誠也外野手(23)が29日、契約更改交渉に臨み、3000万円増の年俸9000万円でサインした。今季は98試合で4番に座り、打率3割、26本塁打、90打点とチームに貢献。ただ、ペナント終盤に右足首を骨折して不本意なシーズンとなった。それでも鈴木は「『初めて4番に座って、ここまでの数字を残してくれた』と高く評価してもらえたことがありがたかった」と充実感を漂わせた。

 1億円の大台には到達しなかったが「しっかり自分の力が出せればお金は後からついてくる」と気にするそぶりはない。それより「早く野球ができる体に戻したい」という言葉が本音だろう。気になる右足首の現状については「私生活は問題ないけど、野球の(できる)レベルではない」。現在は軽めの打撃練習を行うなど、回復傾向にあるが「寒くなってきて無理してやって(ケガが)再発するのも嫌なので、トレーナーと話し合いながらやっている」という。

 チームを離脱して「4番」に対する思いに変化が生じている。もともと「そんなに好きではない」という打順だったが「そこ(4番)で活躍すればそこで出られるし、ダメなら力不足ということで代わるだけ。それがプロの世界」と覚悟の表情。来季はあくまで「4番」にこだわる。