今季のプロ野球のタイトル獲得者らを表彰するNPBアワーズが20日、東京都内で開かれ、最優秀選手(MVP)にセ・リーグから広島の丸佳浩外野手(28)初選出された。丸は「自分が選ばれるとは思っていなかった。一試合一試合全力で戦い抜いた結果、それが評価されたのかなと思う」と喜びに浸った。

 今季は全試合に出場して打率3割8厘こそ自己最高に届かなかったが、171安打、92打点、23本塁打とキャリアハイの数字を残してチームをリーグ連覇に導いた。安打数はDeNAのロペスと並んでリーグトップ。2年連続3度目のベストナインにも選出された。

 上位打線を組む田中、菊池の“タナキク”と98試合で4番に座った鈴木がWBCでチームを離れるなか、オープン戦から打率3割5分4厘と孤軍奮闘。好調を維持したまま開幕を迎えた。交流戦では、6月16日のソフトバンク戦で3打席連続アーチを放つなど打率4割1分1厘、30安打は12球団トップで、日本生命賞を受賞。球団初の最高勝率にあと一歩のところまで迫った。

 8月23日のDeNA戦では4番の鈴木が右足首を骨折して無念のリタイア。打撃重視の松山、バティスタで両翼を固める機会が増えたため、丸の守備に対する負担も大きくなったが、しっかりカバーした。その守備では5年連続5度目のGG賞を獲得。そんな背番号9に「守備に関してまだまだ伸びしろがある」と言い放つのが、外野守備走塁担当に就任して間もない広瀬新コーチだ。丸について「(打球に反応する)1歩目だったり、球際に対しての部分。もっともっとうまくなれる」と太鼓判を押す。

 MVPが最高地点ではない。丸はさらに高みを目指す。