「ENEOSアジアプロ野球チャンピオンシップ」(16日開幕・東京ドーム)の日本代表で中軸を担うソフトバンク・上林誠知外野手(22)に“感情爆発令”が下された。

 プロ4年目の今季は精鋭揃いのチームで134試合に出場し、打率2割6分、13本塁打、51打点の成績を残してブレーク。本人は「達成感3割、悔しさが7割」と手応えは少ないが、侍では本番を前にした練習試合で2試合連続2安打を放つなど、若手中心のメンバーの今大会で一躍脚光を浴びている。

 日本代表・稲葉監督からも大きな期待をかけられているが、入団時から指導する藤本一軍打撃コーチは、さらなる飛躍のため“脱クール”を説いた。

「アイツが一年間フルに戦えたかというと、そうじゃない。終盤に調子を落とし、ポストシーズンに入ってからは気の抜けたプレーもあった」と言い、こう続けた。「アイツには『いつも暗い顔して、何考えてるか分からんような顔して野球するな!』って言うんよ。感情を表に出すということは気持ちを切り替える“スイッチ”になるから。上林には(不調を断ち切る)“引き出し”を増やしてほしい。クールに野球するんじゃなくて、悔しかったら、その感情を思いっきり表に出せばいい。精神論かもしれんけど、この世界で長く結果を出し続ける上で大事」

 上林はもともと闘志を内に秘めるタイプだが、藤本コーチは長年球界に身を置いてきた経験から、闘志を表に出すことで愛弟子がさらに進化できると確信している。侍での上林の表情に注目だ。