Bクラスからの再起を目指す巨人に明るいニュースだ。9日、守備のベストナインを選ぶ三井ゴールデン・グラブ賞の受賞者が発表され、巨人からは菅野、小林、坂本の3人が選ばれた。Gトリオの守備での貢献が評価されたことに、由伸監督も誇らしげだったが、投票結果全体には納得がいかない様子。不満顔の指揮官が求めた“改革案”とは…。

 投手部門の菅野と遊撃手部門の坂本は、ともに2年連続の選出。一方、小林はうれしい初受賞となった。宮崎の秋季キャンプ地で朗報を伝え聞いた小林は「目標にしていた賞なので、受賞できて非常に光栄。智之(菅野)あってのことだと思うし、2人で受賞できたことはうれしい」とバッテリーでの受賞に破顔一笑。「これまで携わってくれた方に感謝したい。これからも受賞できるように、さらにレベルアップできるよう、頑張っていきます」と喜んだ。

 今季の小林は138試合出場で、盗塁阻止率は2年連続12球団トップの3割8分。本人は「自分の中では目標としていた阻止率じゃない」と話したが、WBCでの成長もあって捕逸もわずか2に留め、数字上でも文句のない結果を残した。

 自軍から3人が選出されたことには、由伸監督も納得顔で「驚きはないですね、別に」。小林の受賞についても「守りはいいからと思ってこちらも使っていたわけだし、そこは多少は自信を持っていい部分もあるかなと思います」と守備での貢献を認めた。

 ただスタッフから詳細な投票結果が示されたペーパーを手渡されると、指揮官は何度も首をかしげながら、手元に目をやった。「これ、みんなどういう基準で入れているの? いや、考えはそれぞれあっていいんだけどさ」とポツリ。どうやら、記者投票の結果と現場視点との“ズレ”に納得いかない様子。「俺の立場では他球団批判になってしまうかもしれないし、あえて言わないけれど」としたが「投票した記者の名前は公表すべきじゃないか」といきなり“改革案”をブチ上げた。

 同賞の投票資格は「新聞社、通信社、テレビ局、ラジオ局のプロ野球担当記者として、5年以上にわたり現場での取材を主に担当している記者」と定められているが、投票者の氏名公表はない。ちなみに中央競馬のJRA賞は“公表制”で、記者がどの競走馬に投票したのかJRA公式サイトで確認できる。真顔の指揮官に詰め寄られ、本紙記者を含め投票資格を持つ報道陣はタジタジとなった。

 現役時代は打撃だけではなく、果敢な守備でも名をはせた由伸監督。同賞はルーキーイヤーからの6年連続を含む通算7度受賞している。「守るというのは僕の中ではすごく大事にしていた」と守備にもこだわりを持つだけに、責任を持ってしっかり評価をしてもらいたいとの思いがあるようで…。