国内FA権を取得し、その去就が注目されている日本ハムの中田翔内野手(28)に、現場サイドから「清宮のためにも残留してほしい」との声が上がっている。

 中田は今年3月に行われたWBCに侍ジャパンの一員として出場。しかし、公式戦では2度のケガもあり出場は129試合にとどまり、打率2割1分6厘、16本塁打、67打点と低迷した。

 いずれの数字もレギュラーに固定されたプロ4年目の2011年以降、自己ワーストの成績。また一塁手のライバルとして26日のドラフト会議で日本ハムが7球団競合の末に清宮幸太郎内野手の交渉権を獲得した。

 それでも日本ハム関係者は中田の重要性を強調する。「清宮が1年目から活躍できるかどうかわからないからね。プロの投手のスピードに対応できるかもわからないし、守備は正直、プロのレベルには達してない。そういう意味でも中田がいれば一塁は確実に埋まるわけだし」

 仮に清宮が1年目から一軍出場をしても、決してマイナスにはならないという。「高校生で大変なのは1年間戦うこと。どうしても体力面は不安だから。そこに中田がいれば併用も考えられる」とは別の関係者。さらに日本代表の4番も務めたことのある中田のプレーも間近で観察できるメリットもある。

 中田にとってもプラスがある。チーム関係者は「いくらFAでも2割1分の打率の選手に3億近い年俸は高すぎる。チームに残ったら今年は確実に下がるけど、来年活躍してFA行使したら、もっともらえる可能性もあるわけだから」。果たして中田の決断は――。