名コーチ招聘で鷹の投手王国化に拍車がかかりそうだ。ソフトバンクの来季二軍投手コーチに久保康生・前阪神二軍投手コーチ(59)が就任することが確実になった。

 原石ひしめく鷹で“魔改造”が炸裂する。久保氏はこれまで岩隈(マリナーズFA)ら一流投手を育て上げ、前任の阪神コーチ時代にはメッセンジャーや今季、中継ぎで大ブレークした桑原などを覚醒に導き、ファンの間では敬意を表して「魔改造」と呼ばれた。その指導力と実績は球界内でも高く評価されており、ソフトバンクもかねてその動向に注視。新二軍監督就任が確実な小川編成・育成部長兼スカウト室長ら現場サイドからの強い要望もあり、球団は阪神退団を機に速攻アタックで引く手あまたの名コーチ招聘に成功した。

 育成に重きを置くソフトバンクにおいて、ファームのコーチ人事は最重要案件とも言える。かねて球団はファーム投手コーチに、実績ある人材を求めてきた。前回日本一に輝いた2015年シーズン終了後には、当時一軍投手コーチを務めていた吉井コーチ(現日本ハム一軍投手コーチ)に三軍投手コーチへの配置転換を打診。今オフも5日に退団した佐藤一軍投手コーチ(来季から楽天一軍投手コーチ)に二軍投手コーチ就任を要請した経緯がある。

 ホークスには田中、高橋、松本裕らドラ1右腕組、左腕にも工藤監督がほれ込む笠谷、古谷、長谷川宙ら若手有望株がひしめいている。球団関係者は「ウチは一軍からファームまで統一された選手管理システムがあるが、育成は『人対人』だから選手への声かけ一つにしても指導者によって違う。そこでコーチング力に差が出る。久保さんへの期待は大きい」と語る。

“魔改造”の異名をとる名コーチの手腕に注目だ。