“下克上日本一”を逃したDeNAアレックス・ラミレス監督(43)は試合後、落胆する様子を見せず「選手には『素晴らしい一年だった。これは負けではなく、得るものが大きい一年だった。メーンのドアから入り、堂々とメーンのドアから出ていけた。下を向く必要はない』と言った」と話した。

 この日は守備面でのミスが重なり、サヨナラ負けにつながったが「もし、あれがどうだったらなどと言う必要は全くない。最後まで戦った結果だ」と選手を責めることはしなかった。

 続けて「自分たちに何かが足りなかったということよりも、ベストを尽くして勝てなかったということ。シーズンで94勝をマークし、ここヤフオクドームでの勝率も高かったソフトバンクは確かに強かった。その素晴らしいチームに勝つことができなかったということだ」と冷静に振り返った。

 またレギュラーシーズン3位からクライマックスシリーズを勝ち上がり、自身の采配が冴えわたった点については「自分の決断で選手たちの数々のプレーがすごくうまくいったところはあった。ただし、それができたのは選手のおかげだ。選手によって自分も学べた」と謙虚な言葉を並べた。

 この日、レギュラーシーズンでもほとんど起用していない白崎をDHで起用し、同点弾を含む2安打と活躍したことには「彼は最近、打撃練習の調子が良かった。今日も彼が(フリー打撃を)打ち終わるまで待ち、試合前のギリギリで決めた。それに関しては自分の決断は間違っていなかったと思う」。

 最後は自分に言い聞かせるように「やるべき選手を使って負けた。負けて学ぶことも多い。ここ(日本シリーズ)に来るために何をなすべきかも分かった。だから後悔はしていない。来年は(レギュラーシーズンで)優勝してここに来たい」と力を込めた。

 また、高田繁GM(72)は「ソフトバンクが一枚上手だった」と淡々と話した。それでも「投手力は負けていないけど、野手の底上げをしてレベルアップしていかないと。選手もいい経験をしたと思う」と来季への課題を挙げた。今年は3位からの勝ち上がりとなったが「来年はリーグ優勝しないと? 毎年、そう思っているよ」と巻き返しを誓った。