中日・吉見一起投手(33)が来季に向けて悲壮な決意を固めている。今季は14試合に登板し、3勝7敗、防御率5・23と元エースとして屈辱的な成績で終了。右ヒジ手術の影響でここ5年は計13勝(19敗)止まりとあって「もう5年も結果が出ていない。さすがに今年は(戦力外で)ダメかなと思っていたけど、契約してもらえそうなので、来季はラスト勝負だという気持ちでやりたい」ときっぱりだ。

 春季キャンプ、オープン戦の途中までは順調で「今年一番期待していたのは僕自身。楽しみでしかなかった」と振り返るが、開幕直前に持病の腰痛、開幕直後には右肩も痛めて一気に調子が落ちてしまったという。「今までは腰は痛くなっても大丈夫な範囲だったけど、しびれが出だしてしまった。それにヒジを痛めることはあっても肩をやったのは初めて。抜けそうという恐怖感があって6割ぐらいの力でしか投げられなかった」と打ち明ける。

 もちろん、このままでは終われない。すでに今オフは3度もブルペン投球を敢行。「『休めや』という声もあったけど、ピッチングして(今年を)終わるという安心感が欲しかった。今は腰も肩も全く痛くない。このオフは特殊なトレーニングで股関節と肩回りの弱い部分を鍛えることをやっている」と万全な体づくりをしていく考え。「最終目標は、何で自分は野球をするのか、野球で何を得たいのかを自問自答していければいい」。来季に向けて吉見の気迫はすさまじいばかりだ。