西武がOBで今季、台湾・中信兄弟で投手コーチを務めていた許銘傑(シュウ・ミンチェ)氏(40)を二軍投手コーチとして招聘することが30日、分かった。

 許氏はかつてのオリエンタル・エクスプレス「郭泰源2世」として2000年に西武入団。11年までの12年間所属し、FA権を行使してオリックスへ移籍して2年間プレーを続けた。日本球界在籍14年で計301試合に登板し49勝49敗2セーブ、防御率4・20の成績を残し13年オフに台湾球界に復帰。16年シーズン終了後に現役引退し、中信兄弟球団の投手コーチを務めていた。西武は前楽天・松井稼頭央外野手(42)の再獲得にも動いており、相次ぐFA流出OBの“帰還作業”となる。

 西武はすでに左腕用の二軍投手コーチとしてOBの杉山賢人氏(48=前台湾・ラミゴ)の招聘を発表しているが、右腕用となる許氏に求められる最大の任務は同郷の台湾人右腕・郭俊麟(カク・シュンリン)投手(25)の再生となる。

 チーム在籍3年目となる今季、郭はWBC台湾代表として初戦のイスラエル戦、3戦目の韓国戦に登板するもいずれもKO降板。その後、所属する西武に合流後も原因不明の不調を訴え一軍はおろか、二軍でも登板機会のないまま3年目のシーズンを終えていた。

 チーム関係者は「内向的な性格のシュンリンには通訳以外に技術的、精神的にケアできる存在の人間がいた方がベター」と心配していたが、7年ぶりに古巣復帰する同郷の先輩は心強い存在となりそうだ。