来季のV奪回を目指す阪神が3年連続の「FA補強」の是非に頭を痛めている。
勝負の3年目に突入する金本知憲監督(49)は「外国人は別として(FAなど補強は)最小限に、本当に必要なところだけ補う。育成は最大限。自前のチームを作るのは就任からの目標」と言い放ったが、一方で球団は今オフ、先発不足を補うため、FA投手補強の調査に着手。「市場は人材不足だけど、年俸5000万円レベルとか、人的補償のいらないCランクで獲れるのがいれば…。投手は多くいるに越したことはない」(フロント関係者)と西武・野上、ロッテの唐川ら“格安FA組”の動向を注視。Bランクで年俸1億円(推定)ながら、ポスティング制度でのメジャー移籍を希望している西武・牧田の調査まで“ダメもと”で行っている。
阪神は金本監督就任1年目に中日・高橋、2年目にオリックス・糸井をFAで獲得。しかし、今年は様子が違う。球団内で反対意見も多い。「無理してまで獲る必要はない。野上といっても10勝したら10敗はする投手。ウチで言えば今年後半に入って出番が与えられた岩田レベル。FA選手なら起用する側も神経を使うし、ここは我慢して生え抜きにかけたらいい」と別のフロント関係者。さらには「藤浪や岩貞、青柳をしっかり再生させれば先発不足は解消する。二軍にも今年1勝した竹安ら若い投手の伸びしろは出てくるはず。FA投手まではいらない」(首脳陣の一人)との声もある。
借金生活だった昨年4位から、今季は藤浪不振でも2位に躍進。投手防御率はリーグトップに立つまで成長したのも事実。ドラフトの成否によって補強戦線も本格化するが、果たしてどうなるか。