元ヤクルトの投手で、現在は日本ハムで通訳を務めるラファエル・フェルナンデス氏(31)がプロ野球復帰を目指し、11月15日に行われる合同トライアウトに向けて日々調整を行っている。

 フェルナンデス氏は2009年にヤクルトに入団。13年のWBCでは母国・ブラジル代表として1次ラウンドの日本戦に先発した。同年にヤクルトを戦力外となってからは、独立リーグなどでプレー。今年から現職に就いたが、最終的な目標は初めから球界復帰だったという。

「自分の中ではまだやれるという思いがあります」。その言葉通り、この一年は通訳の仕事を終えたあとも日々自主トレに取り組んでいる。先日はブルペンで元捕手の中嶋聡GM特別補佐から直接フォームの指導などを受けた。「このような形で指導を受けたのは今季初めて。上のレベルの人に見ていただけたのはありがたいです」と笑顔で振り返った。

 業務と練習との両立は大変だろうが「野球選手である以上、誰もが“ビッグステージ”で活躍したいはずです。そのためには練習するしかないですから」と涼しい表情。とはいえ、トライアウトからの球界復帰は狭き門だ。「もちろん難しいことは分かっています。それでも、1%でも可能性があるなら挑戦したい。野球に限らず、やらないで後悔するのは嫌なんです」。

 復帰後のビジョンについては「まずはとりあえず(契約してもらえる)チャンスがあれば。そのあとはその球団へのありがたさを大事に、グラウンドで恩返ししていきたいです」と語った。あくまで目標は日本球界復帰だが「日本でダメでも、ほかの国で拾ってもらえる可能性もある」と現役復帰への強いこだわりを示すフェルナンデス氏の挑戦から目が離せない。