名古屋の各テレビ局が26日に行われるプロ野球ドラフト会議の行方に注目している。地元・中日が清宮幸太郎内野手(18=早実)を指名して交渉権を獲得した場合、在名テレビ局の勢力図が激変する可能性があるからだ。

「大谷投手が日本ハムに入った後、北海道では野球中継の視聴率がかなり上がったんです。もし清宮君が名古屋に来ることになったら、東海テレビさんとCBCさんは大喜びでしょうね」

 こう語るのは在名テレビ局関係者の1人。4日にHBC北海道放送が放送した大谷ラスト登板の日本ハム―オリックス戦は平均31・5%の高視聴率を記録するなど、札幌地区に大谷がもたらした効果は抜群だった。

 高校通算本塁打記録を持つ清宮がプロ入りすれば、大谷以上の話題を呼ぶのは間違いない。となると今季もそれぞれ28試合ずつ放送し、中日主催ゲームの放映権の大部分を握っている東海テレビ(フジテレビ系列)とCBC(TBS系列)の2局に“清宮効果”が集中すると見られているわけだ。

 名古屋地区では2014年から3年連続で中京テレビ(日本テレビ系列)が視聴率3冠を達成。今年の上半期(4~9月)も中京テレビが3冠と1強状態が続いていたが、ここにきて状況が変わってきた。

 10月に入ってから2週連続でCBCが全日、ゴールデンタイム、プライムタイム、ノンプライムタイムで視聴率1位を獲得。CBCが2週連続で週間4冠となったのは1989年に統計を取り始めてから初めてのことだ。また東海テレビも9月の月間視聴率で3年9か月ぶりにゴールデンタイム1位(中京テレビと同率)を記録しており、ここにきて、この2局の躍進ぶりが目立っている。

 それだけに清宮が中日入りするとなれば「中京テレビ追撃」に燃えるCBCと東海テレビがさらに活気づくのは必至。中日が清宮獲りから撤退する可能性も十分あるが「野球ファン以外の人からも注目される選手はそうそう出てこない。ぜひ指名してほしいですね」「清宮選手がいれば、たとえチームが負けてても、清宮選手の打席の時には野球中継にチャンネルを合わせてくれると思う」と、東海テレビとCBC関係者から清宮へのラブコールは増すばかりだ。

(視聴率、データはビデオリサーチ調べ)