連敗で追い詰められていたソフトバンクが、必死の“破天荒野球”で勝利をもぎ取った。

 2戦連続で適時打なしの打線を大幅に組み替え。サプライズが2番・中堅手で抜てきされた城所龍磨(32)だった。2打席連続の二塁打を放つなど大活躍。3試合連続アーチとなる3ランを放った4番・内川の前でチャンスメークした。

 昨季は交流戦の時期に突如として“確変”。交流戦MVPの活躍を見せて周囲を驚かせたが、今季は1年のほとんどファーム暮らしで一軍出場は2試合のみだった。それが大一番での起用となった発端は達川ヘッドコーチのアイデアだったという。

 達川ヘッドは「何を言うとる。ワシは何もしてないよ」。こう言いつつも「短期決戦はコトを起こしたほうがいい場合もある。交流戦でMVPを取ったり破天荒なことをやってのけるやつじゃからの。大きなミスをすることもあるが、大きな仕事もやってくれる。いい方に賭けてみたということ」とも説明した。

 試合前に行う円陣では工藤監督が声出しを行った。就任以来、初めてのことで「今日からガムシャラにバカになって野球をやろう」とゲキを飛ばした。王者が開き直って2勝2敗の五分に戻した。