パ・リーグのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ第1戦が18日、ヤフオクドームで行われ、ファーストステージを勝ち上がってきた3位の楽天が、リーグ覇者のソフトバンクに3―2で勝利。対戦成績を1勝1敗(アドバンテージ含む)のタイとした。

 パ王者のソフトバンクが初戦を落とした。今季16勝のエース・東浜が3被弾。打線も反撃が及ばなかった。

 レギュラーシーズンでは歴代5位の94勝をマーク。3位・楽天との差も15・5ゲームあった。下馬評ではCSでも圧倒するかとも見られていたが、実はチーム内には嫌なムードも漂っていた。ただでさえ主砲・柳田が不在。東浜も優勝後に腰痛で離脱し、千賀も終盤に調子を崩していた。

 そもそも楽天には夏場に2カード連続で3タテを食らわせて引導を渡したが、それでも対戦成績は13勝12敗とほぼ互角。序盤戦は苦しい戦いが続いた。「取り口を考えれば楽天のほうが怖い。則本、岸の2枚がしっかりしていて、後ろも充実している。西武の打線はすごいが淡泊なところもあるし、後ろも盤石ではない。ヤフオクドームでは(11勝1敗と)負けていない」(チームスタッフ)と、2位の西武のほうがくみしやすいという声も上がっていた。

 さらに首脳陣を含めて異常警戒していたのが、この日の先発・塩見だった。今季は1度の対戦しかないが、9月23日の対戦で6回途中までを2安打1失点と大苦戦。そのため、早い段階からCSファーストステージの戦いが第3戦までもつれ、先発4番手の塩見と初戦で対戦する流れを不安視する向きもあった。

 しかも、チーム関係者からは「試合間隔が空いている。こういうときにはキレ系の左投手が打てなかったりする。成瀬のときがまさにそうだった」。ロッテに下克上された2010年にシーズンでは一度も負けなかった成瀬(現ヤクルト)に初戦、最終戦と完璧に抑えられたことを挙げて心配する声も出ていた。

 パのCSファイナルでは初戦に勝利したチームが10度とも突破している。数々の不安を払拭してジンクスを打ち破れるか、それとも――。