西武・牧田和久投手(32)が今オフ、ポスティングシステムを利用してメジャー挑戦を目指す方向性を固めた。

 牧田は2010年のいわゆる「佑ちゃんドラフト」で日本通運から西武に2位指名され、先発、抑え、セットアッパーにとマルチな活躍でプロ7年間で53勝49敗、防御率2・83、54ホールド、25セーブをマーク。今年8月には国内FA権を取得していた。

 CS敗退の決まった16日の楽天戦後、牧田は「メジャーへの憧れはある。涌井も海外に挑戦すると言っているし、チャンスがあれば自分もやってみたい。それは球団と話し合いをして決めたい。この球団に残ることもある。全ては話し合いをしてから」とひそかに温めてきたメジャー志向を初めて公にした。

 過去13年&17年WBC、15年プレミア12と3度の国際大会では貴重な中継ぎ、抑えとして2勝0敗、防御率1・80と変則サブマリンとしての希少価値を証明。今春WBCでもメジャーから「彼はスニーキー(一癖ある)で特異なアンダースロー。彼のストレートは81マイル(約130キロ)前後と遅く軌道も独特。ワンポイントのセットアッパーとして面白い」(ア・リーグスカウト)とナックルボーラー的な興味を持たれていた。

 3秒、5秒、7秒と投球までの間を意識的に変える固有の“変速テンポ投法”について牧田は「日本なら自分が始動しているのに、打者が打席を外したら認められてしまうけど、国際大会では打者の方が認められないケースが多い」と国際大会で外国人打者と対戦する楽しみを語っていた。

 すでに代理人を立て水面下で西武側と交渉を開始。ポスティング移籍に備えた米国側の情報収集も開始している。鈴木球団本部長は「本人と話をしてから。現場は来季も戦力として考えている」としたが、来季獲得する海外FA権を考慮すると、7年間の功労に対し球団側が折れ、本人の希望を快く認めることが予想される。