宇佐見&畠 ブレークの裏

2017年10月08日 11時00分

6勝をあげた畠

巨人に明日はあるか】悩めるベンチが放った苦肉の策が、起死回生の一手となった。7月12日のヤクルト戦(神宮)から、打撃好調のマギーを「2番・二塁」で起用。するとこの策がはまり、最大11あった借金完済が視界に入ってきた。

 チームが落ち着きを取り戻してきたころ、華々しくデビューしたのが、2年目捕手の宇佐見だ。新星はプロ初打席を初安打で飾ると、8月18日のDeNA戦(東京ドーム)では延長10回にプロ初本塁打となるサヨナラ2ラン。さらに延長戦を制した9月5日の中日戦(松本)では、2点ビハインドの9回二死から曲芸的な同点2ランを放った。宇佐見は今月3日の最終戦でも一発を放ち、終わってみれば21試合出場で打率3割5分、4本塁打、8打点の好結果を残した。

 また投手陣ではドラフト2位の畠が台頭した。デビュー戦の7月6日の広島戦(マツダ)こそ打ち込まれたが、登板するたびに安定感を増し、13試合で防御率2・99、6勝4敗と上々の数字でルーキーイヤーを終えた。

 最終的にAクラス浮上はかなわなかったが、若い2人の出現はファームが育成の場としてようやく機能し始めた証しともいえる。右手骨折で開幕に出遅れた宇佐見に、当時巡回打撃コーチだった内田二軍監督は、リハビリ中からバットを振り込ませた。広島時代からの「強い振りが強い打球を生む。強く振るには“量”をこなすしかない」との信念からだ。あるスカウトは、宇佐見の打球を見て「あんなに引っ張って飛距離が出る子ではなかった」と驚いていた。

 内田氏は後半戦から二軍監督に就任すると、田代二軍打撃コーチとともに“量”に重きを置いた練習方針を全体に徹底させた。これが今季から球団が導入したトラッキングシステムともマッチした。飛距離に直結するスイングスピード、打球速度などの指標が見えるようになり、選手たちも厳しい練習の成果を実感。球団は成長度を数値把握できるようになった。

 畠のブレークの陰にも大ベテランがいた。ファームの若手投手に関しては、小谷巡回投手コーチが熟練の目でメカニックをチェックしている。二軍スタッフは「今の配置はベテランコーチの経験を生かせている」と話す。

 ちなみにあまたの投手を指導してきた小谷コーチが「あの子らは面白い」と話すのが、ドラ5右腕の高田と同6位左腕・大江の高卒コンビ。「大江は来年の先発ローテ候補。高田は体力面でもう少しですが、素材は大江以上です。三振が取れるので、先発もリリーフもできる」とスタッフの期待も高い。数は少ないが、楽しみな原石はいるのだ。

 では、今年のドラフトに、巨人はどんな戦略で臨むべきなのか。

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