中日は、2日、東京・国分寺市内の同校で中田スカウト部長と正津スカウトが早実・清宮幸太郎内野手(3年)と面談した。

 中田スカウト部長は「チームが(5年連続Bクラスで観客動員も伸び悩むなど)こういう状況なので(スター性のある)清宮君の力がどうしても必要です」などと訴えかけたといい「十分理解していただいたと思う。思いの丈は伝えました」と語気を強めた。清宮からは球団施設や練習場に関しての質問があったという。もっともプレゼン用の資料を持参する球団が多い中「(資料は)全くないです」と“手ぶら”で面談。清宮獲得への熱意だけがやや先走りしたような格好となった。

 加えて中日サイドからは焦りの声も出ている。DeNAは筒香、ヤクルトは山田、西武は中村と、他球団は高卒野手から球団を代表する選手へと、どのような過程をたどったのかといった話題が出て面談が盛り上がったと聞いたからだという。ある中日関係者は「近年、ウチの高卒野手で大成した選手が誰もいないと向こうに見られてしまったのだろうけど…」と言いながら他球団との差に表情を曇らせた。

 中田スカウト部長は「練習が厳しい中で這い上がって、出てくる選手は自力で上がってくる。精神面の強さと練習面の豊富さとか、それに一番にふさわしい選手が清宮君」と力説したが、中日サイドの“手応え”はあまり芳しくないようだ。