中日のドラフト3位ルーキー・石垣雅海内野手(19)が29日、神宮で行われた一軍の全体練習に初合流。森監督や土井打撃コーチらが見守る中、フリー打撃や三塁でのノックを受けるなど汗を流した。森監督たっての要望もあり、30日にも出場選手登録され、デビューなら高卒1年目野手としては2012年の高橋以来、5年ぶりとなる。

 来季を見据えた終盤の若手起用とはいえ、今季の石垣はウエスタン・リーグの60試合に出場して打率1割9分7厘、3本塁打、14打点と苦しみ、ここ10試合でも39打数6安打で打率1割5分4厘と低調。本来なら昇格できるような成績ではない。

 この異例の特別待遇が森流だ。落合政権時代に投手部門を一手に任されヘッドコーチなどを務めた森監督は、11年のシーズン終盤の巨人戦にルーキーだった大野をプロ初登板初先発させた。結果は4回7失点KOとプロの洗礼を浴びてしまったが、チーム関係者は「あの経験が大野の財産になった。それだけ森監督が石垣の素質にほれ込んでいるということ。1年目に一軍を経験するのとしないのでは大違いだからね」と見ている。別の関係者も「二軍でさっぱりでも一軍では見違えるような例もあるからね」と期待を込めた。

「周囲からは“高卒だから3、4年目から一軍に出られるようになればいい”とか言われますけど、それではダメ。1年目から一軍を経験させてもらえたのなら2年目の来季から活躍を見せないといけない」と意気込む石垣。将来の主砲候補が滑り込みの一軍で爪痕を残せるか。