巨人通算1万号の中井 構想外脱出なるか

2017年09月27日 16時30分

球団通算1万号を放った中井はお立ち台で笑顔

 巨人の伏兵が球団史に名を刻む一発を放った。3―0で3連勝を飾った26日のヤクルト戦(東京ドーム)で、中井大介内野手(27)が球団通算1万号となる5号ソロ本塁打を含む、2安打2打点の活躍で勝利に貢献した。CS争い佳境で高橋由伸監督(42)の我慢の起用に応える仕事を果たした背番号61。“構想外寸前”の一撃で、運命は変わるのか――。

 驚きに満ちた大歓声がスタンドから沸き起こった。メモリアル弾が飛び出したのは1―0の4回一死。中井が相手先発・岩橋の投じた6球目の直球を強振すると、打球はライナーで左翼席へ突き刺さった。

 手応えは抜群。だが、すぐに節目の一発だと理解し「ヤバいな…」と思ったという。照れながらベンチへ戻ると記念ボードを手渡され、ナインから手荒い祝福を受けた。2回の先制打に続く活躍で呼ばれたお立ち台では「すごく光栄なことではあるんですけど、少し複雑でした。(1万号が)僕でいいのかなと…」。通算10本塁打の背番号61は、はにかみながら素直な心境を口にした。

 辛抱の起用に応えた愛弟子の一撃に、由伸監督は「久しぶりに打ってくれましたね」と笑顔。報道陣を見渡して「まあ、紙面上は、もう少し名前のある人のほうがね」とやって爆笑を誘った。村田真ヘッドコーチも「5000本目はマキ(槙原寛己氏)だから、エエんやない?」と笑いながら大仕事をたたえた。

 試合のなかった3位DeNAとは残り4試合で1ゲーム差に接近。負けられない一戦でヒーローとなった中井はG党の喝采を浴びたが、前半戦の低迷時には球団内外から“戦犯”の扱いを受けていた。

 入団10年目で開幕初スタメンを勝ち取り「1番・二塁」を任されたものの、持ち味の打撃で結果を残せず、守備でも精彩を欠いた。次第にファンの不満は高まり、批判の矛先は指揮官にも向けられた。球団上層部からは「なぜ中井を使うのか」との声が現場に飛んだ。後半戦はマギーの二塁固定に伴い外野での起用が増えたが、その後も与えられたチャンスをものにできない日々が続いた。

 来季の二塁に関し、球団はマギーを軸に若手の吉川尚、山本らを起用するプランを描く。一方で外野には長打を期待できる外国人の補強を本格的に検討している。もはや若手とは言えない中井は限りなく“構想外”に近い立場となっていた。

 この日は我慢の起用を続けた由伸監督にようやく恩返しの一発を放ち、中井は「シーズンは残っているので挽回できるように頑張りたい」と誓った。奇跡のCS進出を目指すチーム同様、残り試合で失地回復の働きを見せられるか。