重量打線飽和状態の西武が「清宮指名」にこだわる理由

2017年09月26日 16時30分

渡辺久信SD

 早実の清宮幸太郎内野手(3年)が25日、東京都高野連にプロ野球志望届を提出した。同校が発表した。そんな清宮に近年、独自路線を突き進むドラフト巧者・西武が色気を見せている。

 2013年森友哉、14年高橋光成、15年多和田真三郎、16年今井達也とここ4年、チームの将来を見据えた選手を1位枠ですべて一本釣り。1位指名で競合してくじ引きとなったのは12年の東浜巨(現ソフトバンク=外れ)、増田達至(外れ1位=広島との競合で交渉権獲得)が最後で、09年菊池雄星、10年大石達也はいずれも6球団競合の末、渡辺久信シニアディレクター(SD)の“剛腕”で獲得したが、最近はその出番を失っている。

 だが、注目の清宮に関しては慎重に熟考を重ねている。先日21日の編成会議でも渡辺SDは清宮を「当然1位の評価をしている」とした上で「チーム事情として投手が足りないという思いはあるが、1位が投手なのか野手なのか、将来性ある選手か即戦力か、ということは流動的。これから決めたい」と含みを持たせた。

 球団内には「1位候補の投手にそれほどのグレードの投手がいるかは疑問」という声とともに「スター選手はそう簡単に出てくるものではない」との意見があるという。

 ただ現状、チームは完全なる打高投低で清宮の守る一塁は5億円助っ人・メヒアを押しのけ、今季ここまで21試合で4番に座り打率2割9分2厘、20本塁打、55打点を稼ぐ山川穂高が順調にブレーク中。その他居並ぶ重量打線の面々を見ても、清宮の獲得は差し迫った補強ポイントではない。それでも球団関係者は「それはどこの球団も似たようなもの。一塁には大体、外国人やベテラン、主力が座っている。(清宮は)若いんだから三塁でも左翼でもやればできるのでは」と柔軟に考えている。

 なにより過去に清原、松坂が在籍し「人の目が増えると、見られていることで他の選手のやる気も違ってくる。チームが活性化する」(同)とスター選手の効能を知る球団だけに、今年はさすがに「従来の独自路線で」とはいかないようだ。