中日がオフの大改革第1弾だ。24日のホーム最終戦(対広島、ナゴヤドーム)の試合後、中日の総帥・白井文吾オーナー(89)がこの日に引退試合に出場した森野将彦内野手(39)の打撃コーチ就任と、岩瀬仁紀投手(42)と荒木雅博内野手(40)のコーチ兼任を“発表”した。

 白井オーナーは森野について「打撃コーチとして正式にやってもらう。彼はなかなか面白い男。チームが明るくなる」と明言。さらに荒木、岩瀬の2人についても「コーチを兼ねてもらうということで構想を練っている。ほとんどそういうことで決定することは間違いない。両君とも後進の指導には大変、関心を持ってやってくれているものだから、この際コーチを兼任してもらったらどうだろうかと。2人の技術は捨てがたい。後世に伝えてもらいたい」と話した。

 白井オーナーの発言を聞いた森監督は「はっ!? 森野については最終戦終わったわけだからそれはまぁ…えーっ!? まぁ、あれじゃないの…分からん!」と動揺を隠し切れず。どうやら岩瀬と荒木については白井オーナーの“フライング発言”だったようだが、コーチ兼任になるのは間違いない。

 西山球団代表は2人のコーチ兼任について「彼らには後ろ姿でチームを引っ張ってもらいたい。これまでの経験を全て伝えてもらいたい」と説明。かつての常勝軍団も5年連続Bクラスで優勝争いの経験すらない選手も増えてきており、強かった時代の主力として戦ってきた2人の経験を買ったということだろう。

 ただ理由はそれだけではない。「数年後を見ている。生え抜きの選手がユニホームを着ることは必要。すぐにとはいかない。徐々にやっていかないと。そうやって次につなげていく。これは監督の最初からの方針でもある」(球団幹部)。2002年から中日の生え抜き監督は12、13年の高木守道氏1人だけで、若手生え抜き監督の誕生は中日ファンの大きな望み。岩瀬、森野、荒木の入閣は「ポスト森」含みでもあるようだ。