中日・森繁和監督(62)は早実・清宮幸太郎内野手(3年)のプロ志望表明について「よかったね」とひと言。清宮に対しては白井オーナーが以前からラブコールを送っており、今回の決断は大歓迎だ。松永編成部長は「まだ詰めた話はしていない」としながらも「話題性も技術もある。あとはチーム事情でしょうが、1位候補は間違いない」と改めて評価した。

 ただ問題なのは清宮が各球団との面談を希望している点だ。その中身次第では意中球団からはじかれてしまう可能性もある。しかも清宮が「厳しく指導して成長させていただける球団に行きたい」と希望していることも中日にはネック。2006年の高校生ドラフトの1位で当時高校ナンバーワンスラッガーだった堂上、11年にはやはり高校野手ナンバーワンの呼び声高かった高橋をいずれも抽選で獲得したが、ともに伸び悩んでいるからだ。そこで「2人とも1年をムダにしてでも早くから使えば違った結果になったはず。清宮には1年目からスタメンで起用する方針でいけばいい」(ベテランスタッフ)と育成の失敗を逆手に取る“確約”を与えては、との声が出ている。「せっかくお客を持っている選手。2年も3年も二軍に置いていてももったいない」と営業的にもプラスになるという。

 球団幹部の一人は「親会社である中日新聞社は経済的にもしっかりしているからね」と育成方法などの球団方針だけでなく親会社もアピールする。さらに清宮の父・克幸氏と山田広報部長が早大ラグビー部の同級生という縁もあり「清宮のお父さんの担当にしよう」(球団関係者)とのウルトラC案まで…。中日は清宮のために、あの手この手を準備している。