試合に出られない悔しさ知った!”メガ誠也”誕生だ

2017年09月19日 16時30分

ビールをかけあって喜ぶ鈴木誠也(左)と松山竜平

 無念の思いだったに違いない。今季98試合で4番を務めた鈴木誠也外野手(23)は打率3割、26本塁打、90打点の好成績を残しながら、8月23日のDeNA戦(横浜)の守備で右足首を骨折。9月の死闘に参加することなくシーズンを終えた。この日は松葉づえを手に甲子園へ駆けつけ、優勝の瞬間と祝勝会にも立ち会ったが、球団を通じて発した「リーグ2連覇できたことは素直にうれしいですが、大事な時期に離脱してチームに迷惑をかけてしまいました」とのコメントにも悔しさがにじんでいた。ただ、首脳陣はこの苦い経験がプラスに働くと見ている。東出打撃コーチは「今年は4番という重責を担って悩んだり苦しんだりした。でも、プロ野球選手にとって何よりもつらいのは試合に出られないこと。それを実感したことで、今まで(4番として)悩んできたことなどささいなことだと思ったに違いない。そうなれば来季は今年以上の働きが期待できる」と体だけでなくメンタルも強くなった“メガ誠也”の誕生を予測する。

 黄金時代の到来に向けて、緒方監督は昨季のリーグMVPである新井に代わる4番の育成を今季の“裏テーマ”としていた。キャンプ中から鈴木の4番起用をほのめかしていたが、松山も候補の一人で、鈴木にこだわっていたわけではない。それでも結果として4月25日の巨人戦から離脱するまで4番の座に君臨し続けたのは、単純に見合う成績を残したからだ。

 来季は不動の4番打者としてだけでなく、広島では1995年の野村謙二郎、2000年の金本知憲以来3人目となるトリプルスリーへの期待もかかる。本人は離脱前に「まだまだ成績のことを考えている余裕はないです」と話していたが、8月は20試合の出場で月間自己最多となる5盗塁を決めてシーズン自己最多タイの16盗塁をマーク。緒方監督も「トリプルスリーへの意欲が見受けられる」と目を細めていたほどだった。「この悔しさをバネに来年はリーグ3連覇を目指すチームに貢献できるよう頑張りたい」。鈴木の進化は止まらない。