山本監督のグアム視察に阿部困惑

2013年01月18日 16時00分

 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表・侍ジャパンで主将を務める巨人・阿部慎之助捕手(33)が、早くもすさまじい重圧と戦っている。日本代表・山本浩二監督(66)は15日、巨人の代表候補選手の自主トレ視察のため、わざわざグアムへ乗り込む。ところが侍指揮官のあまりの入れ込みっぷりに、さすがの阿部も困惑している様子。最近になって、周囲に弱音をこぼしている。

 

 日本代表監督がキャンプ前の自主トレを視察すること自体、異例だが、加えて海外まで足を延ばすのは、やはり異常と言っていいだろう。

 

 ちなみにグアムで自主トレを張る侍候補は、巨人の6選手。山本監督は2泊3日の弾丸ツアーで阿部を筆頭に長野、坂本が参加する野手組と内海、山口、澤村がいる投手組の調整具合をそれぞれ視察する予定だ。

 

 山本監督としては、なかでも侍ジャパンの主軸である阿部の調整具合を、自分の目でチェックすることが主な視察理由のようだ。だが、この行動が果たして良い結果を招くかは微妙なところだ。

 

 阿部はグアム入りした5日、山本監督のグアム来訪について聞かれ「ありがたいし、元気なところを見せたい。期待してくれている証拠ですから」と語ったが、これはあくまで表向きの答え。その後、時間を置いて同様の質問が飛ぶと、さすがに本音が出た。「ありがたいです…って、おい! どんだけ俺にプレッシャーをかけるんだよ!」と質問した記者を小突いたほどだ。

 

 今回の侍ジャパンはメジャー組が不在のため、山本監督は早々に阿部を主将に指名した。昨季の巨人・原監督の言葉を借りれば、侍ジャパンも「慎之助のチーム」で臨むということ。だが、自主トレ視察は「さすがにやりすぎだ」との声が球団内からも上がっている。

 

「巨人選手ばかり注目されるのは、他の代表候補から見れば面白くないはず。監督が最終選考前から“ひいき”しているように映りますからね。慎之助もさすがに『いいのかな』と気にしているようです。それに自分自身も故障明けで焦らず仕上げようとしているのに、監督が来れば調整のペースを乱される心配もある。素直に『ありがたい』とは思えないでしょう」(巨人関係者)

 

 阿部は昨年末、メディアに向けて「大会が始まるまではあまり騒がないでほしい」とくぎを刺した。過度な期待や注目に、侍ジャパンの選手が押し潰されることを懸念したからだ。山本監督のグアム視察は、そんな主将の思いに明らかに逆行する行動だろう。

 

 大会が近づいて山本監督の意気込みが増すのは当然ながら、入れ込みすぎれば振り回されるのは選手たち。指揮官のから回りした行動が、阿部を押し潰すことにならないよう祈るばかりだ。