デスパイネ独占手記 優勝と母国キューバ野球復活への思い

2017年09月17日 16時30分

ビールを浴びるデスパイネ

 新加入でソフトバンクのV奪回に貢献したのが、アルフレド・デスパイネ外野手(31)だ。現時点でリーグトップの33本塁打をマーク。打線の中軸としてチームを引っ張った。「キューバの至宝」とも称される大砲が、キューバ国内リーグに続くうれしいダブルVとなったソフトバンクでの優勝への思い、そして愛する母国・キューバ野球復活への熱い思いを独占手記として本紙に寄せた。

 日本に来て初めての優勝となり最高の気分だ。すごくうれしいよ。今年はソフトバンクで自己最多の本塁打を打つことができている。確かに球場の違いだったりもあるけど、それより今の環境が大きかったと思っている。

 工藤監督やコーチは常に自分を信頼してくれていたし、自分もそれ以上の成績を残そうとポジティブに取り組むことができた。チームメートは常に「勝つ」という意識を持っていて、雰囲気も明るい。そして、通訳のレオ(青木レオナルド)の存在が私にとって大きかった。彼の公私にわたってのサポートに深く感謝したい。

 今年はシーズン途中からキューバの2選手も加わった。一軍でも活躍したモイネロはまだ21歳と若い。最初は不安もあっただろうが、チームにとって本当にいい仕事をしてくれたと思う。言葉の違いがある中でチームにちゃんとなじんでいて、文化にも慣れていっていると感じる。

 私が野球を始めたのは7歳のときだ。子供のころから憧れていたのが、キンデランとアントニオ・パチェコ(※1)の2人の素晴らしい選手だ。2人がいたからこそ、自分はプロ野球選手になりたいと思ったし、キューバのナショナルチームに入りたかった。監督、打撃コーチとして2人の指導を受けた時期もあり、その経験があったからこそ自分は成長できたんだと今でも思っている。

 野球はキューバでは国を代表するスポーツだ。みんな大好きだし、基本的に子供のころから野球を教わる。ただ、一つ残念なのが、年々いい選手が離れていっている(※2)ということ。少し人気も落ちてきたのではと思っている。

 モイネロらも含めて、私たちが日本で活躍して、それを見ている子供たちにとってのいい目標になれば幸いだ。自分たちの活躍を見て、これからの子供たちにも野球を続けていってほしい。亡命せずにキューバの国内リーグでプレーをしたり、次の世代が自分たちの引退後にも活躍してくれれば、キューバの野球も再び伸びるんじゃないかと思っている。

 2020年には東京でオリンピックがある。今、キューバには、若くて潜在能力の高い選手がたくさんいる。まずは若い選手が伸びること。そこに自分たち経験のある世代が助っ人として加われば、いいチームになるはずだ。モチベーションを高く保ち、2020年の五輪に出場して、勝利に導ければいいなと思っている。

 自分の夢は国内リーグで優勝すること。そして、その夢はかなえることができた(※3)。次の夢はこのチームで日本一になることだ。そこまでチームの勝利のために戦いたい。