プロ11年目の中日・福田永将(のぶまさ)内野手(29)の打撃が好調だ。15日現在、出場は83試合ながら打率2割7分、15本塁打、44打点の活躍。特に15本塁打は中日の日本人選手では2013年の平田以来で、遅咲きながら和製大砲の片鱗を見せつけている。

 福田のモチベーションとなっているのが10年前の“オレ流語録”だ。ルーキーイヤーの07年の春季キャンプでのこと。当時の落合監督が少年にサインをせがまれたが、その差し出された色紙の片面にはすでに福田のサインが書かれていた。そのため落合監督は「この色紙にはサインできない。コイツは将来はクリーンアップを打つようなレギュラーになるよ。すごい価値が出るから、大事にしとけ」とサインを“拒否”した。

 このエピソードは1年目のときから福田の耳にも入っており、「その話を聞いたときはとてもうれしかった。ずっと今でも励みになっています」と目を輝かせる。とはいえ、慢心は一切なく「ホームランを15本打ったぐらいでは、まだまだ満足なんかしていません。もっともっとチームのために成績を残さないと、落合さんも納得しないと思う」とさらなる飛躍を誓う。

 今季は主に5番を務める福田だが、残り12試合で最低でも20発以上はクリアし、来季こそ本塁打王を取るような活躍を落合元監督に見せつけるつもりだ。