粘りは見せたが、追い越すことはできなかった。巨人は9回までに5点差を追いつき、5―5で迎えた延長12回に一死二、三塁までチャンスを広げるも、後続の村田と亀井が凡退。一度もリードを奪えず、痛み分けに終わった。

 4時間24分に及ぶロングゲームの元をたどれば、先発田口の乱調が尾を引いた。初回に3連打で2点を先制され、2回は二死から投手・藤浪に与えた痛恨四球から4連打を浴びて3失点。打線の反撃で黒星こそ免れたものの、6回を今季ワーストタイの5失点、被安打10の内容だった。

 今や先発3本柱の一角を占めるまでに成長したが、気がかりなのはここへきて失速ぎみな点だ。前回6日の中日戦(前橋)は6回4失点で降板し、自身の連勝も8で止まった。チーム内からは「いくら田口が若くても、さすがに疲労が相当たまっている。生命線のコントロールにもバラつきが出ている。休ませてあげられればいいけど、チームにそんな余裕はない」と心配する声が出ていた。

 それもそのはずで、3本柱の中でも開幕からローテを守り続け、3試合連続の中5日で先発したのは田口だけだ。田口は「流れを作れなかった。中5日を言い訳にできない」と責任を背負い込んだが、村田真ヘッドが「しっかりせえと言いたい」と厳しい言葉を口にしたのも信頼の裏返しだろう。

 由伸監督は「いいとは言えないですけど、何とか粘った。よくなかったところは次に修正してほしい」と次回の快投を期待した。3位・DeNAとは0・5差。ローテの屋台骨が揺らいでは逆転CSへの道も険しさを増すが、どれだけ疲労困ぱいでも休養している暇はない。そんな“ジレンマ”を抱えながらも田口は復調できるか。