2位の阪神が6日の首位・広島戦(マツダ)に延長11回の末、3―4で痛恨のサヨナラ負け。中谷の19号先制ソロなどでの3点リードを8回から投入した中継ぎエースのマテオが守れず、同点に追いつかれ、11回は4連投の3年目・石崎が四球をきっかけにピンチを招き、会沢の適時打でジ・エンドとなった。

 直接対決で2夜連続となるサヨナラ敗戦で広島とのゲーム差は「8・5」に拡大。金本監督は「ウチはリリーフ陣で持ってきたチーム。そこで打たれたら昨日と一緒で仕方ない。選手はどんな逆風が吹いても勝つ気持ちでいる。ただ、ここの強い風(広島)は止められん。どのチームも…」と苦悶の表情で振り返った。

 これで、さらに逆転Vが厳しくなったが、それだけではない。球団内は3位・DeNAと4位・巨人の追い上げにも戦々恐々となっている。ある球団フロントはこう嘆く。「ウチは広島を必死に追いかけている、というイメージが今まで先行していたけど、下の3位から見れば追いかけられる格好の立場になっている。9月はDeNA戦が8試合、巨人戦も5試合ある。この2チームには1つも勝てていない天敵のピッチャーもいるし、苦戦している。はっきりいってそっちの方(2位争い)が不気味だ」

 別の球団関係者も「特に巨人は目標を失っているヤクルト、中日戦が9月に多く残っている。ウチは逆に3試合と少ないことを考えれば…。まさかウチが4位ということはないだろうけど、今の状態は先月の下位のチームの恵みでやれてきた面がある。今後、3位転落がないともいえない」と危惧している。8月に17勝9敗1分けと躍進した阪神だが、その大半が下位のヤクルト、中日戦で星を稼いだもの。その分を除くと6勝8敗1分けだったからだ。

 6日現在、3位・DeNAに3・5ゲーム差、4位・巨人には6ゲーム差をつけている阪神。9月恒例の「失速」が起きないよう、とにかく「3位転落」だけはごめんだ。