逆転Vに燃える2位の阪神は4日、首位・広島との3連戦(5~7日、マツダ)の決戦の地に入った。広島とのゲーム差は4日現在、6・5。まさに優勝の行方を決める大一番だけに3連勝、あるいは勝ち越しが義務付けられ、金本監督も「そりゃ選手がそう思ってるはず。僕らが思ってもね」と気合十分だ。

 初戦の先発は今季3度の二軍落ちを喫し、5月4日のヤクルト戦から約4か月も白星のない藤浪が中8日で臨む。指揮官の「(広島戦での登板の)意味は分かっていると思うけどね。9月の中心(選手)? そう。やってくれないと」との思いに藤浪も「首位のチームでしっかりやらないと、というより自分の投球、自分の球を投げることにまず集中したい」と静かに闘志を燃やした。

 そんなチームに“猛ゲキ”を送った男がいる。今季11勝を挙げながらも右足腓骨骨折で無念のリハビリ生活を送っている大黒柱のランディ・メッセンジャー投手(36)だ。「選手にはこのまま立ち止まってほしくない。今年オレは本当に優勝がしたい。自分のことより一番はチームで優勝することなんだ。自分がケガで出られない、悲しいって気持ちがある。(骨折は)野球をやる上で起こりうることってわかってはいるけど、自分の仕事ができないでいる。チームが自分を必要としている時にいないっていうのは悲しいんだ」

 今季中の早期復帰も視野に入れているメッセンジャーだが、現状では難しい。それでもナインに「立ち止まるな!」と厳命したのも“自分が戻るまではやってくれると信じている”からこそだろう。来日8年目の助っ人右腕から放たれた猛ゲキ。何が何でも広島に3つ勝ってメッセンジャーの復帰を待ちたいところだ。