2位・阪神が30日のヤクルト戦(甲子園)を延長10回の末、糸井のサヨナラアーチで4―3で制した。貯金は今季最多の14。首位・広島とのゲーム差は6・5に縮まり、自力優勝の可能性が再び復活した。加えて日本ハムを退団したルイス・メンドーサ投手(33)の獲得も決定。残り26試合での異例の“突貫補強”の裏には“広島キラー”としての期待があるという。

 阪神・四藤球団社長は30日、日本ハムからウエーバーの手続きが取られたメンドーサの獲得を申請したと明言した。「いろいろ検討した結果。戦力や今後の日程など総合的に考えて」。メンドーサは2014年から日本ハムでプレー、通算95試合に登板し、27勝36敗で防御率3.80。右足腓骨骨折のため戦線離脱したメッセンジャーの穴を埋めるため、このメキシカン右腕に白羽の矢を立てた。金本監督も「先発が足りないので期待している」と話した。

 ウエーバー公示の締め切り日となったこの日(30日)に申請。他球団の入札がなく獲得が確定したが、今回のウエーバー順で阪神は11球団中10番目。他球団が手を挙げていれば、獲得は立ち消えになる可能性もあっただけに慎重を期しての動きとなった。

 そんなメンドーサに求められるのが広島キラーとしての役割だ。「昨年の日本シリーズでは広島打線を完璧に抑えていた。ウチの先発陣は広島打線を苦手にしているピッチャーが多い。広島もメンドーサには嫌なイメージを持っているだろうしね。広島キラーになってくれればかなり助かる」(球団幹部)

 昨年の広島との日本シリーズでメンドーサは第2戦で初登板し、1回を無失点でしのぐと第5戦では早々にKOされた先発・加藤の後を受け2回途中から緊急登板。5回2/3を無失点に抑える好リリーフでチームのサヨナラ勝ちを呼び込んだ。そんな実績があるだけに、阪神でもそのキラーぶりを発揮してほしいというわけだ。

 今季は20試合に登板し、3勝7敗、防御率3.97。日本ハム退団決定後も練習を継続し、コンディションに問題はなく、9月5日からの広島戦(マツダ)でデビューする可能性もあるメンドーサ。異例の“突貫補強”とあって「3勝7敗という成績が示すように今年は去年ほどの迫力を感じない。期待度に見合う活躍をしてくれるのか」(チーム関係者)との厳しい見方もあるが、“使い捨て助っ人”にならないためにも、短期間で結果を出したいところだ。