西武は24日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)に1—10と大敗し4連敗。エース・菊池雄星投手(26)の反則投球の判定を巡り、西武・辻監督の怒りも収まらなかった。「いきなり取られた。おおごとやで。ほかの試合で取っているのか」と切り出した。

 初球だった。先頭・川島から空振りを奪ったが、いきなり反則投球を指摘されて判定がボールになった。2度の宣告をされた前回17日の楽天戦(メットライフ)同様、菊池はクイックモーションでの投球に切り替えたが、川島をストレートの四球で歩かせると、デスパイネの29号2ランなどで3点を失った。続く2回にも4点を奪われて3回7失点でKOされた。

 シーズン中にもかかわらず投球フォームの修正を図ってきた。それだけに指揮官は「こっちは努力して前より小さくしている。それでも取られるなら、みんな取られる。『前と変わらない』って。(白井)球審がボソッと(言ってた)。銀仁朗(捕手の炭谷)が聞いていた。(自軍の)誠のほうがよっぽど止まっているよ」と続けた。

 責任審判の佐藤一塁塁審は「4月からの映像をずっと見ている。明らかに違う」。前回登板から“アウト判定”を取っていることについて、開幕時からの投球フォームの変化を指摘する。ただ、西武側からすれば、今の投球フォームは前回から始まったものではないだけに…との思いもあるだろう。

 土肥投手コーチは「少なからず5月からやってきたのはダメとなってしまった」。今回は前回とは違って、審判サイドから「(右足の動きに)段がついている」との説明があった。次回登板までに再修正を図っていくという。

 この日の直球の最速は148キロ。不正投球を取られた川島への初球だった。3イニング目はすべて130キロ台後半から140キロ台前半だった。3回で降板となったことについて土肥コーチは「(フォームが崩れて)このまま投げていたらケガしそうだったから」と説明した。

 試合後の菊池は「言いたいことはありますけど我慢して前に進むしかない」。ただ、ソフトバンク打線に打ち込まれたことについては「そこは言い訳にはできない。前回(楽天戦)はそれでも完投(完封)できている。別問題です。反則投球以前の力不足でした」と話した。

 これで今季のソフトバンク戦は4戦4敗、防御率7・97だ。過去も含めると対戦成績は17試合に登板して0勝12敗となってしまった。