G党の不満が爆発だ。巨人は23日、中日戦(ナゴヤドーム)に1―4で敗れ、1日で借金生活に逆戻りした。4連勝中の流れを断ったのは、5回途中3失点KOの内海哲也投手(35)。立ち上がりの失点で主導権を握られると、好調の打線も沈黙した。背信を重ねながら繰り返されるベテラン左腕の先発起用には、チーム内外から疑問の声が噴出。首をかしげる他球団からは“契約説”まで飛び出している。

 立ち上がりからつまずいた。内海は初回、先頭の京田にいきなり死球を与えると、二死三塁から主砲ゲレーロに2ランを被弾。4回にも先頭打者への四球から3点目を失うと、5回一死から大島に右前打を浴びたところで、ベンチからタオル投入となった。

 許した安打は4本ながら、制球が生命線の投手が4四死球では、ほめられた内容ではない。打線の援護を呼び込むリズムも作れなかった。「チームに迷惑をかけてばかりなので、本当に申し訳ない」。頭を下げた内海について、由伸監督は「先頭への四死球もそうですけど、初回に本塁打というのは痛いには痛いですよね」と苦言を呈した。

 中6日のローテーション通りなら、内海の次回登板は30日の広島戦(東京ドーム)となる。斎藤投手コーチは「四球やデッドボールを出して、本人も自信なさげに見えた」と評した一方、今後については「これから考える」と言葉を濁したが、再び抹消される可能性が高い。

 それでも、今季の内海は登録と抹消を繰り返しながら、誰よりも復活のチャンスを与えられてきた。ただ、G党の我慢はいよいよ限界だ。前日、ナゴヤドームで内海の予告先発が発表されると、外野スタンドの巨人ファンからは、ざわめきが起きていた。

 左腕の今季成績は先発11試合で2勝7敗、防御率5・77。中日戦に限れば、2013年を最後に1勝もしていない。先発事情は苦しいが、結果の伴わない内海ばかりが重用されるのはなぜなのか。疑問の声はチーム外からも上がっている。

「今日は最初から宮国じゃダメだったんですか?」「ナゴヤドームなら、相性のいい大竹もいるでしょう」「左なら今村でもいいし、内海が優先される理由は何なんですか?」

 本紙もこの日は、試合前から球界OBや他球団スコアラーの質問攻めに遭った。極め付きは「どうしても登板させないといけない特別な契約でも結んでいるの?」といぶかる声まであった。

 前日借金を完済し、CS圏浮上を目指す機運が高まった直後に、下位球団相手に痛恨の取りこぼし。3位DeNAが勝利を収め、試合差は再び3に広がった。指揮官は「思うような結果が出ていないが、頑張ってもらわないといけない部分もある」と内海の“次回”を示唆したが…。背番号26に向けられる視線は、投げるたびに厳しさを増している。