ヤクルト 辞任・真中監督の後任は?OBの伊勢孝夫氏が緊急提言

2017年08月23日 16時30分

サヨナラ勝ちを収め、ファンの声援に笑顔で応える真中監督

 ヤクルト・真中満監督(46)の今季限りでの辞任が決まり、22日の阪神戦(神宮)の試合前、記者会見が行われた。オーナー、社長の覚えもめでたかった指揮官は、どうして辞任に至ったのか。今のチームに足りないものは何なのか。そして次期監督は誰が適任なのか…。かつてヤクルトで一軍総合コーチなどを務めた本紙評論家・伊勢孝夫氏が、古巣の危機的状況に緊急提言を放った。

 先日、真中と会ったのは6日の阪神戦。京セラドームでの試合前のことだった。

「おい真中、オレの知ってる大学にいい選手がおるんやが、今度見に来たらどうや」と声を掛けたら「いやいやボクは来年、どうなるか分からないんで…」。その時は「2年前に優勝しとるんやし、そんな簡単にクビにはならんやろ」と笑い飛ばしたのだが、ずいぶん疲れた様子だったのが気になった。

 今日の記者会見では「来季もし1年預かったところで、正直勝つ自信はありません」とも語ったそうだが、おっしゃる通り。ずいぶん正直に言ったな…というのが私の率直な感想だ。はっきり言って、今のヤクルトは当分勝てない。レギュラークラスと控えの力の差がありすぎて、若手を育成しようとしても気が遠くなってしまうのが現状だ。真中の気持ちも痛いほど分かる。貧乏くじを引くことになる次の監督は、相当な覚悟を決めてやらないと、大変な苦労をすることになる。

 次の監督は何をすればいいのか。「勝つため」というよりはむしろ「土台づくり」から。私は「次は高津臣吾」と聞いているが、経験のない高津では難しい仕事になるだろう。ならば誰が適任か。小川(淳司SD)を戻すか、若松(勉)を連れてくるしかない。とにかく実績、経験のある人物にチームを根本からつくり直してもらう。高津がやるのはそれからでも遅くはない。フロントの仕事としては、育成の選手をあと数人増やすだけで違ってくる。このチームの故障者続出問題は、慢性的な人数不足も影響しているからだ。

 それでも「2年前は優勝できたじゃないか」という人もいるかもしれない。だが、私に言わせればあの優勝は「まぐれ」だ。DeNAが序盤に巨人と阪神を食ってくれた、そのどさくさまぎれで抜け出しただけなのに、それで「ウチには戦力がある」と勘違いして、その後の育成をおろそかにした。そんなツケもあるのではないか。

 オーナー(根岸)、社長(衣笠)、真中が日大卒ということもあり「日大閥だから監督は安泰」という見方も強かったが、さすがにこの成績では周囲の目も厳しくなってくる。社長は慰留したそうだが、ヤクルトは客商売でイメージを大事にする会社。そんなこともあって、中にはいろいろと言う人もいる。真中は温厚な男だけど短気なところもある。球団にも残らないというのは、あれなりのケジメのつけ方だったのだろう。

 それでも高津しかいないというのであれば…。三木は細かいことに気がつくいいヘッドやと思うが、参謀に誰をつけるかというのも悩みどころやろうね。残り試合、今のヤクルト二軍に一軍のレギュラーになれるような選手はひとりもおらんが、素材が「鉄」でも「鍛えに鍛えた鉄」なら「金のタマゴ」と勝負できるかもしらん。とにかく選手を鍛えること。それから残り試合、奥村(展征)や西浦(直亨)らを目をつぶって使い続けること…。それぐらいしか今できることは思いつかない。(本紙評論家)