広陵・中村のブレークで巨人のドラフト戦略混沌

2017年08月23日 16時30分

中村(左)は打者だけではなく、捕手としての潜在能力も秀逸だ

 新怪物の出現で巨人のドラフト戦線が混沌としてきた。鹿取義隆GM(60)が22日、第99回全国高校野球選手権大会準決勝で“清原超え”の新記録となる大会6号本塁打を放った広陵・中村奨成捕手(3年)を大絶賛。今秋ドラフトの「特A」候補に挙げたことを明らかにした。甲子園を沸かせるニューヒーローの誕生は、指名戦略に変化を与えそうだ。

 ナゴヤドームで中日に快勝した巨人ナインの間でも、試合前は1985年にPL学園・清原和博がマークした1大会最多本塁打記録を32年ぶりに塗り替えた中村の話題で一色だった。広陵OBで10年前の夏準優勝メンバーの小林は「ここまで来たら日本一でしょう」と果たせなかった夢を託すと、中村の快挙には「すごいっすね」を連発。真顔で「僕より全然上ですよ」と持ち上げた。

 同じく広陵OBの二岡打撃コーチも母校の快進撃に目を細めつつ、中村については「あれだけ安打が出ているし、当てる技術は大したもの」と評価。チーム内では“打てる捕手”として売り出し中の宇佐見も「僕なんかが評価するのは恐れ多い。ものすごい打者ですよ」と感嘆しきりだった。

 一方、巨人スカウト陣も当然注目。大会前からチェックしていたという鹿取GMも「こんなに打つとはねえ」と驚きを隠せない様子だった。「走攻守揃ったとんでもない選手。“特Aクラス”」とし、今秋ドラフトの最上位指名候補としてリストアップしたことを明言した。

 巨人のスカウト陣は「評価は不変」(岡崎スカウト部長)として、早実の清宮幸太郎(3年)を今秋ドラフトの最上位候補に挙げて動向を注視してきた。甲子園で生まれた新たなヒーローの出現は、今後のスカウト戦略に影響を与えるのか。

 編成関係者は「捕手の補充は課題の一つです。それでも、清宮がプロ入りを表明すれば競合覚悟で1位指名にいくでしょう」と、清宮の存在はやはり別格とした。その上で「問題はくじが外れた場合。大会前、高校生捕手の中では九州学院・村上宗隆(3年)の評価が最も高かった。中村も注目株でしたが、『2位で獲れるかもしれない』という評価だったはずです。ただ今大会の活躍で一気に1位指名競合の可能性まで出てきた。スカウト陣としても、これほどのブレークは予想外でしょう」と話した。

 村上は身長186センチ、96キロの恵まれた体格を誇る右投げ左打ちの大型捕手。高校通算52発のパワーが魅力で、巨人は早くから“阿部2世候補”として目をつけてきた。ただ、今年の夏は熊本大会決勝で秀岳館に敗戦。U―18日本代表の1次候補に選ばれていたが、最終メンバーからは外れた。

 中村の大ブレークにより、巨人のドラフト方針も練り直しとなるのか。甲子園に現れた“清原超え男”が、清宮一色だった秋をかき回す存在となりそうだ。