【高校野球】東海大菅生 初の4強へ導いた指揮官の“神行為”

2017年08月21日 11時30分

ベスト4入りを決めた東海大菅生ナイン。若林監督(左)への信頼は絶対だ

【ズームアップ甲子園】第99回全国高校野球選手権大会第12日の第1試合で東海大菅生(西東京)が三本松(香川)を9―1で下し、春夏通じて初のベスト4進出を決めた。エース松本(3年)を中心に投打に相手を圧倒しているが、その強さの背景には指揮官への絶対的な信頼感がある。ナインが尊敬する姿とは…。

 初回から打線が火を噴いた。3番・小玉(3年)の2ランなどで3点を先制すると、3回には6番・佐藤(3年)の2ラン、6回には2番・松井(3年)の2ランが飛び出し、3本塁打、12安打の猛攻で相手を寄せ付けなかった。若林弘泰監督(51)は「できすぎかな。3本出るとは思わなかった。効率よく投手を助けてくれた」と喜んだ。

 初戦の高岡商(富山)に11―1、2回戦の青森山田(青森)に9―1と大差をつけ、この日も8点差勝利。毎試合2桁安打の猛攻の理由は、指揮官の“ある行動”にある。ナインの一人は「甲子園入りしてから監督は自ら打撃投手として投げてくれるようになりました。毎日約100球もです。その後、ノックもするので本当にタフ」と驚きを隠せない。

 指揮官自らボールを投げるのは異例のこと。地元で投げることはなく、甲子園では練習補助員の人数不足もあって、打撃投手を買って出てくれた。若林監督は元中日の投手。ナインは「元プロの球を打てるのは自信になります」と感謝しきりで、打撃力アップには最高の練習相手となっているわけだ。

 驚きの姿はグラウンド内だけではない。「甲子園で試合のない日はグラウンドで練習するのですが、僕らはバスで宿舎に帰るのに、監督は歩いて帰るんです。しかも、ゴミを拾いながら」とは別の選手。猛暑の中、指揮官は練習グラウンドから約30分かけて道中のゴミを拾いながら歩き、宿舎に着くころにはゴミ袋いっぱいになっているという。

 その理由を指揮官は「ゴミには運が付いている。運を拾っているんだ」と説明している。ナインも普段から東京の寮周辺などでゴミ拾いをしていたが、決して強要することなく、甲子園に来てまでゴミを拾い続けるその背中に感動。ナインの信頼を新たなものにしている。22日の準決勝で花咲徳栄(埼玉)と対戦。「運を拾い集めた」東海大菅生が日本一に王手をかけるつもりだ。