【高校野球】丸刈りで一丸 広陵の“洗濯物事件”

2017年08月18日 16時30分

3回戦進出を決めた広陵ナイン

ズームアップ甲子園】第99回全国高校野球選手権大会第9日の17日、第1試合で広陵(広島)が秀岳館(熊本)に6―1で快勝。野村(広島)―小林(巨人)のバッテリーを擁して準優勝した2007年以来となる3回戦進出を決めた。勢いづく広陵ナインは全員丸刈りにして団結しているが、実はこれには、ある“事件”が関係していた。

 優勝候補の秀岳館を相手に4回にプロ注目の中村(3年)の左前打などで好機をつくり、相手投手の暴投で先制。同点の7回に平元(3年)のスクイズなどで2点を挙げ、9回には中村の今大会3本目となる本塁打で3点を加え、突き放した。中井監督は「ベンチにいる選手、スタンドで応援してくれている選手が本当に頑張ってくれています。感謝しています」とにっこり。全員丸刈りで団結しているナインは初戦の中京大中京(愛知)に続く強豪撃破にノリノリだ。

 実は、この全員丸刈りには理由があった。初戦の2日前のこと。宿舎でメンバー外の補助選手が洗濯してくれたユニホームなどを2、3人のベンチ入り選手が部屋に持ち帰らず、洗濯ネットに入れたままの状態で放置。それを見つけた中井監督が「補助員に部屋まで届けてもらうのは簡単だけど、感謝の気持ちを持って自分から取りに行くのは当然。それに仲間なのに取りに行った選手はなぜ、そのままにしていた選手に教えてやらなかったのか。野球だけやってればいいわけじゃなく、社会に出ても通用する人間として自立しないといけない」などと諭したという。

 これにナインは猛反省した。「たかが洗濯物をすぐに取りに行かなかっただけと思われるかもしれませんが、洗濯物は食堂前で一般の人も通るところで邪魔にもなりかねなかったので…。中井監督には怒られたのではなく、このままではダメだと気づかせていただいた」(ある選手)。岩本主将(3年)が中心となって選手だけで緊急ミーティング。初戦前日にバリカンを購入し、互いに短く頭を刈り合って気合を注入したのだ。

 別の選手は「丸刈りにしたのは中井監督に言われたからではなく、主将の提案で気合を入れ直すためにみんなでやろうとなったこと。広島ではこんなことはなかったのに甲子園入りしてから気が緩んでしまっていたところがあった。こんなに短くしたことは今まではなかったけど、ここまで強豪に勝てているので今となってはあれが起きてよかったです」と打ち明ける。“洗濯物事件”で、さらに一丸の広陵ナインは、夏の甲子園初優勝へ向けて闘志を燃やしている。