ロッテ・伊東監督辞任 重なった誤算とフロントへの不信

2017年08月14日 16時30分

辞任を表明したロッテ・伊東監督

 ロッテの伊東勤監督(54)が13日、成績不振の責任を取り、今季限りで監督を辞任すると表明した。2013年からロッテを指揮し、昨年までの4年間で3度のAクラス入りを果たしたが、今季は開幕から低迷。5月16日に37試合目で自力優勝の可能性が消滅するなど、ここまで33勝68敗1分けで、首位から34ゲーム差の最下位に沈んでいる。辞任の裏には伊東監督に多くの誤算があった。

 西武戦(ZOZOマリン)前の練習後、伊東監督は自ら切り出した。「こないだの楽天戦(5日)で仙台に行った時に球団の上の方(幹部)と食事する機会があって、その時に『今季限りでユニホームを脱がせてくれ』と(言った)」

 理由は明白だ。13日現在で借金は35を抱える。指揮官は「応援してくれている人たち、ファンの人もそうですけど、失望させてしまった。現場の責任者である自分の責任ですし、ずっとそういう覚悟はしていた」と話すが、この不振は必ずしも監督だけに責任があるわけではない。山室球団社長(55)も「監督にすべての責任があるとは思っていない。球団としてやれることは、もっとあったと思う」と認めるように、5年目の伊東監督には多くの誤算があった。

 昨年オフまで、さかのぼる。球団側から続投を要請された指揮官が条件にしたのは「優勝を争える戦力の補強」。ロッテ関係者によれば「監督は3位で、まだ強いうちに補強しなければ上位との差は開くだけだと考えていた」という。

 特にアルフレド・デスパイネ内野手(31)の残留を強く希望。「監督は球団サイドが『残します』と言っていたし、デスパイネを放出するとは思っていなかったようだ」(ロッテ関係者)。しかし、デスパイネはソフトバンクへの移籍が決定。

「監督はデスパを放出したこともそうだけど、交渉の段階でデスパに『自分に本当に残ってほしいと思っているのか』という気持ちにさせたことに腹を立てていたみたい」(同関係者)。フロントに対する不信感は、このころから募り始めていた。

 それならとデスパイネに代わる大砲の補強を要望。球団はジミー・パラデス内野手(28)とマット・ダフィー内野手(28)を獲得するが、両外国人とも開幕からの不振が続く。これが影響し、5月中旬までチーム打率1割台が続いた。

 溝が決定的なものになったのは5月にロエル・サントス外野手(29)を獲得した時。大砲を要望していた伊東監督は報道陣の前で「食い違いと言ったらおかしいけど、絶対的に必要な選手ではない」と強い口調で話したほど。

 重い腰を上げた球団は6月にウィリー・モー・ペーニャ内野手(35)を補強したが、時すでに遅し。その時点で借金は取り返しがつかないほど膨れ上がっていた。この日、伊東監督は厳しい戦力での戦いを問われ「それも含めて引き受けたわけですから」と球団サイドを責めることはなかったが、表情は晴れなかった。

 監督の今季限りでの退任による来季の後任人事について、山室球団社長は「全くの白紙。OBには、こだわらない。シーズン終了までにメドを付けたいと思っている」。現在のところ、今季での現役引退を決めている井口資仁内野手(42)、球団のスペシャルアシスタントを務める大村三郎氏(41)、球団OBで元捕手の里崎智也氏(41)の名前が挙げられそうだ。