巨人・阿部慎之助内野手（３８）が１３日、広島戦（マツダ）の９回一死、今村から右前打を放ち、通算２０００安打を達成した。プロ野球史上４９人目、球団生え抜きでは川上、長嶋、王、柴田に次ぐ５人目となる。試合後には会見を行った。以下一問一答。
――記録を達成した今の率直な思いは
阿部：たぶん皆さん、（達成は）東京になるんじゃないかと思っていたと思うんですけれど、打ててホッとしています。
――残り「１」で迎えた心境は
阿部：いつもと違うドキドキした気持ちもありましたし、見に来てくれているカープファンの方からも声をかけていただいたりとかいうのもあって、早く打ちたいなというのは正直ありました。
――「決めろ、決めろ、２０００本」という声も響いていた
阿部：集中していたんであんまり聞こえていなかったんですけど、決まったときにカープのファンの方々も、慎之助コールをしていただいて、本当に野球ファンの方々は温かいなと思いました。感謝しています。
――達成時に広島・新井と坂本から花束を受け取ったときにはどんなやりとりを
阿部：「おめでとう」というのと、僕からの「ありがとうございました」というのと。はい。
――２ストライクからの４球目だった
阿部：フォークも頭に入れて、それをうまく打てたかなと思います。
――それをきれいにはじき返したときの気持ちは
阿部：そこまではなんとも思わなかったんですけれど、１―４で負けていましたし、なんとかと思って打席に入っていただけなんで。
――８月に入って順調に数を減らして、広島には残り３本で入った。１試合１本ずつ、最後の打席で達成した
阿部：率直にうれしく思います。でもチームが負けてしまったという残念な結果があるので、そこは来週から切り替えてやりたいなと思います。
――２０００安打は史上４９人目
阿部：正直、打てると本当に思っていなかったですし、目標にもできるような選手じゃなかったと自覚していますし、打ててしまったな、というのが今の正直な気持ちです。
――どのあたりから具体的に意識し始めたか
阿部：１回けがで離脱したときに、なんとかチームのため、自分のためにも早く復帰したいと思いながら１０日間、頑張れましたし、そのあたりが意識し始めたころですかね。
――コンディションの状態もあり、思うように積み重なってこなかったかもしれないが
阿部：目標は７月に立てていたんですけれど、それがけがで遅れてしまって。だけど、試合に入って勝てる１本をといつもコメントしていますけれど、そういうふうに意識したほうが野球にも入れますし、自分の個人の成績も大事ですけれど、そればかり意識していると打てないこともありましたし。それがすごく分かったというか、難しいなと思いました。
――やはり２０００本という数字へのプレッシャーはあったか
阿部：久々にたくさんのマスコミの方が僕に寄ってきていただいたんで、ひしひしと感じていました。
――荷が下りた
阿部：そうですね。あと何日かしたら、新聞も違う内容になっているでしょうし（笑い）。僕ももう１回、シーズンに向けて集中して、なんとか上位に加われるように、やるだけだなと思います。
――巨人の生え抜きとしては５人目の記録だ
阿部：それは、僕が辞めるときに、すごい数字を打ったんだなと。そのときに振り返ればいいかなと思います。
――家族も駆けつけた
阿部：急きょ来ることになって、たぶん本当のすごさはまだ分かっていないんでしょうけれど、こういう姿を見て、球場の雰囲気を味わえて、もうちょい大人になったときに自慢したいなと思います。
――記念ボールは
阿部：とりあえずは、子供たちに触らせてあげて、その後に父親の方にあげたいなと思います。
――父からは大きな影響を受けた
阿部：本当にいろんなことがあって、ここまで達成できましたし。誰よりも応援してくれた家族もいますし、両親もいますし。阿部家ではいつも「先祖を大事にしろ」と言われるんですけど、それ以上に「生きている先祖はもっと大事にしろ」と。いい時も悪い時も見ていてくれていたのは両親だと思いますし、ほかにもたくさん、ずっと広島まで来ていただいた方々もいらっしゃるので。その前でいい姿を見せられて良かったかなと思います。
――４００本塁打も視野に。次の目標は
阿部：４００号も近いというのは知っていますし、２０００安打に関してはしっかり目標も立てないといけないと思いましたし、次は２５００本を目指してやっていきたいなと思います。
――どんな一日だった
阿部：なんか不思議な一日でした。本当なのかなという実感もないですし、そんなにすごいことをやっちゃったのかなというのもありますし。それが今の率直な感想です、一日の。
――明日から、気持ちを切り替えていく
阿部：そうですね。来週もそうですけど、何とか今週勝ち越したかったんですけど。またチームで切り替えて、来週は東京で暴れたいなと思います。
