阪神ロジャース 鳥谷の守備叱った

2017年08月10日 16時30分

9回に勝ち越し犠飛を放ち、ベンチで迎えられるロジャース

 9日の巨人―阪神戦(東京ドーム)は阪神が土壇場で試合をひっくり返し、5―4で勝利した。9回に勝ち越しの左犠飛を決めたのはジェイソン・ロジャース内野手(29)。評価がうなぎ上りの新助っ人はプレー以外にも男気あふれる言動で、チーム内の信頼を勝ち取っていた。一方の巨人はアルキメデス・カミネロ投手(30)がまたも背信投球。2試合連続失点で5敗目を喫した守護神の配置転換を含めた大掛かりな入れ替えが検討されている。

 敗戦濃厚の試合を見事にひっくり返した。愛称“パンダ”の阪神4番・ロジャースが“白黒”つけた。9回、福留の同点三塁打によって押せ押せムードとなって迎えた打席で勝ち越しの左犠飛。「どんな形であれ走者をかえすという意識で打った」。この勝利で広島の優勝マジックを消滅させ、チームの自力Vを復活させた。

 ここ2試合無安打だったロジャースだが、この日は初回に先制打も放ち「最初に打てたから気持ち的には楽に打てた。昨日から(打撃で)修正していたから」と話す。片岡打撃コーチが「ひと振りで犠飛はまさに4番の仕事。昨日まで打てなくても自分の何がおかしいか、状態を把握しているからいい。打撃練習が終わっても一人、裏でティー打撃で確認作業をしてくれている」と目を細めれば、金本監督も「頭がいい!(打席で)考える力を持っている!」と改めて絶賛だ。

 そんなロジャースに同僚ナインは早くも「このまま来年も残留してほしい」とラブコールを送っているが、さらに、チーム内が感心しまくる一件があったという。それは鳥谷への「叱咤事件」。ある球団幹部がこう明かす。「前の広島戦(マツダ)で三塁側砂かぶり席へのファウルボールを鳥谷が追いかけたが、結局逃したプレーにロジャースが『あれは捕れたんじゃないか。もっと強く追いかけないといけない』などと注意したんだ。あの鳥谷にそんなことが言える選手はいないし、ベンチでも微妙なムードになった。でも、それだけ試合に気持ちが入ってやってくれているという証拠。メッセンジャーとも仲がいいし、皆に好かれているのがいい。選手が残ってほしいという話も分かる」

 確かに何度もゴールデングラブ賞を受賞した名手に選手が手厳しいことを言うのは半ばタブー。それでも本音をぶつけようとするロジャースの態度は逆に尊敬されることになったのだろう。虎の“パンダ砲”は、V奪回をあきらめないチームになくてはならない刺激剤となっている。