【ヤクルト8-5DeNA(8日)】好調には理由がある。ヤクルトの主砲ウラディミール・バレンティン外野手(33)が8日のDeNA戦(神宮)で逆転の24号満塁弾を含む2安打4打点と大暴れ。チームの連敗を3で止め、お立ち台では「本塁打は相手のミスもあったが、前の選手がつないでくれたから。チームメートに感謝したい」と話した。

 調子が上向いてきたキッカケの一つが7月上旬に新加入し、3度目のアベック弾となる3号2ランを放ったカルロス・リベロ内野手(29)の存在だ。チーム関係者は「これまではココ(バレンティン)と米国人(のすみ分け)みたいになっていたが、同じ野手で言葉も近い存在がいると気分が違うみたい。リベロがいろんなことを熱心に聞くタイプだから、ココも先輩風を吹かせられるし」と証言する。

 バレンティンの故郷・オランダ領キュラソーで話されるパピアメント語はベネズエラ出身のリベロの話すスペイン語に近く意思疎通は問題ない。“弟分”のリベロも「野球の面でも私生活でもたくさん助けてくれる」とバレンティンの存在を頼もしく思っている。

 実際にリベロが出場選手登録された7月22日からのわずか15試合で、バレンティンの成績は目に見えて上昇している。その間の打率は2割6分4厘ながら、本塁打は全24本中10本、全56打点のうち22打点を挙げた。

 最近ではリーダーの自覚も出てきたのか「若い選手が多いから結果にかかわらず『ココが(試合で)こんなにやってるんだから』という姿をベテランとして見せたい」と話すまでになった。“兄貴”バレンティンが最下位チームの中で輝きを放っている。