侍ジャパンの稲葉篤紀監督(45)が7日、「サントリードリームマッチ2017」(東京ドーム)で“二刀流”を披露した。

「ザ・プレミアム・モルツ球団」の「3番中堅」でスタメン出場した稲葉監督は5回一死一、二塁で右翼線に同点の2点適時打を放った。さらに6回からは投手としてマウンドに立つと、元阪神の「代打の神様」関本賢太郎を左飛に打ち取った。

打者1人だけでマウンドを降りると再び守備につくなどフル回転。「ドリーム・ヒーローズ」を5―4で破ると稲葉監督はMVPに輝いた。

 徳光アナのインタビューに答えた稲葉監督は「1年に1回なので非常に楽しみにやっています。(第1打席で)併殺だったので(MVPに)なぜ選ばれたのか?」と首をかしげたが、試合後の会見では「投手は高3以来。マウンドに立つと緊張しますね。投手の気持ちが分かった」と初の“二刀流″に本音をのぞかせた。

 そんな指揮官だが、侍ジャパン監督就任後もテレビ朝日系「報道ステーション」の解説は継続。日本ハムの「スポーツ・コミュニティー・オフィサー」(SCO)も引き続き務めるなど「肩書」が多い。前任の小久保裕紀監督もNHKの解説者を兼任しながら侍監督を務めた。というのも、侍ジャパン監督だけでは十分な報酬が得られないことに加え、解説者として球場に行くことでNPBの経費を使わずに数多くの選手の視察ができるメリットがあるのだ。

 その一方、公共放送である小久保前監督のNHKと違い、民放のテレビ朝日では公平さの点で不安が残る。小久保ジャパンでは2016年「プレミア12」、17年「WBC」ともにTBSとテレビ朝日の2局が試合中継を独占した。東京五輪の放映権はジャパンコンソーシアム(JC)内で抽選するとはいえ、稲葉監督を抱えるテレビ朝日が独占するようなことになればテレビ各局がソッポを向きかねない。