無期限の二軍調整が続く阪神・藤浪晋太郎投手(23)が4日のウエスタン・中日戦(鳴尾浜)に先発し、予定の5回を5安打2失点7奪三振と上々の内容で“復活ののろし”を上げた。1本塁打を許したものの、球速157キロを計測した右腕は「緩急を使ったり、ボール球を使ったりやりたいことはできた。順調? いい感じで投げられている。もっと意図する球で打ち取れれば長いイニングでもいける」と手応えを口にした。

 7月2日のウエスタン・中日戦で自身初の危険球退場など7四死球&7失点の大荒れ。その後はミニキャンプを敢行し、2度の救援登板を経て同29日のオリックス戦に3イニングの先発復帰。この日の結果でさらに前進したといえる。

 長期間に渡る二軍落ちの“理由”として球団内外でささやかれていたのは藤浪の「イップス説」だ。「頭部への死球などが続いて精神的に病んで投げられない状態かも。内角に投げられないばかりでなく、フォームそのものもおかしくなって、本人も『直せない』と断言までしているのはどういうことか」(球団スタッフ)「イップス状態と言われている巨人の澤村みたいにならないか心配だ」(阪神OB)と心配する声ばかり。ネット住民にもこの手の話をネタにされていたほどだ。

 しかし、この日の内容はそんな声も吹き飛ばした。ベテランの安藤は「イップスはない。そんな弱い選手じゃないし、そうなら今日のような投球はできない。今回の二軍落ちを機にしっかりと納得するまでやっていきたいということ」と“反論”し、掛布二軍監督も「澤村はそう言われているみたいだけど、藤浪は投げて状態も上がってきている。イップスではない。今の状態で上にいっても大丈夫だよ」と断言した。藤浪は次回10日のウエスタン広島戦(倉敷)に先発する予定で、注目の一軍昇格時期は順調なら今月中旬以降か。この男が早く一軍で投げないと阪神は面白くない。