第99回全国高校野球選手権大阪大会決勝が30日、大阪シティ信用金庫スタジアムで行われ、今春センバツVの大阪桐蔭が大冠を10―8で下し、3年ぶり9回目の甲子園出場を決めた。エース・徳山(3年)が、3回に4失点してリードを許す苦しい展開となったが、5回に追いつき、6回に藤原のソロアーチで勝ち越すと8回には5点追加。最終回に公立の星・大冠の猛反撃を受けたが、逃げ切った。

 破竹の公式戦24連勝で激戦区を制した西谷監督は「この2年間は夏に出れていなかったので夏を味わえていない3年生が夏に飢えていた。3年生の気持ちで勝てた。100年近い歴史の中で(甲子園で)2回春夏連覇した学校はない。簡単ではないが、せっかくのチャンスなので正々堂々挑戦したい」と偉業達成に強い意欲を見せた。春夏連覇への道を切り開いたヒーローは切り込み隊長・藤原(2年)だ。6回の本塁打について「真っすぐに絞って、狙って打ちました。感触は完璧。自分は決勝に強いので強気にいきました」。今春のセンバツ決勝・履正社戦でも2本塁打をぶちかましたU―18日本代表候補が、またしても大一番で結果を残した。

 走攻守すべてで超高校級レベルでナインの誰もが「藤原がウチのナンバーワン選手」と口を揃える。そんな藤原がプレーの手本としているのは、ソフトバンク・柳田だ。「中学2年生くらいから柳田選手を意識しています。3拍子揃っているのがすごい。自分も打つだけじゃなく、走ること守ることも同じ比重で考えて練習しています」。野球部のルールでスマホ、パソコンの使用は厳禁のため「食堂のテレビで柳田さんの映像が流れると、いつも食い入るように見ています」という。この日の高校通算19本塁打目の一発も柳田流のフルスイングなら、単打の当たりで二塁を陥れる好走塁も柳田そっくりだ。

「甲子園でも打ちまくって走りまくりたい!」。藤原は聖地でも柳田ばりの大暴れを誓った。