阪神が30日の中日戦(ナゴヤドーム)を0―7で落とし、連勝は3でストップ。中日先発・八木に6回2安打に抑えられる貧打ぶりで首位・広島とのゲーム差は再び10となった。そんな中、金本知憲監督(49)は夏場の戦いに向けて若手のウエートトレーニングの負担軽減を指示。これまでのスパルタ路線から体調優先の“宗旨変え”で巻き返しを狙っている。
 先発・能見が4回6失点でKOされると頼みの打線も今季2度目の登板だった左腕・八木に6回2安打に抑えられて初白星を献上。金本監督は「のらりくらりといかれた。テンポは悪かったけど、そのテンポに合わせてしまったのかな」と首をひねるしかなかった。

 ただ、夏場を乗り切るための手は、すでに打っている。「今も若手の強化指定選手にはウエートトレは課されているが、夏場に入って持つ重さが10~20キロ軽くなっている。限界近くまで追い込むのではなく、負荷を軽くして体調を優先させようという監督の方針。去年はなかったこと」(チーム関係者)。これまでスクワットの重量に関しては「体重×2」が最低ノルマとして設定されていたが、現在は大幅に緩和されているという。

 鍛えることを最優先にした就任1年目の昨季は夏場でもギリギリまで追い込ませ、ナインの筋力アップを画策。しかし“副作用”もあった。「鍛えることはできたが、想像以上に選手が疲労困憊になってプレーに影響してしまった。だから、今年はゆとりを持たせているのだろう」(球団関係者)。同じ轍を踏まないための方向転換というわけだ。

 この“宗旨変え”について金本監督は「この時期はみんな疲れているし、無理させないように。俺も(現役時代)この時期は軽かったから」と説明したが、鍛えながらもチームを勝たせるための苦心のたまものといえる。「上しか見てないし、前しか向かないという気持ちを大事にしていく。選手にも浸透させたい」と意気込む指揮官の期待に応えるためにもナインは“軽減効果”を発揮したいところだ。