出口の見えない西武の“森友問題”が、来季へ先送りされそうな雲行きだ。3月5日のWBC強化試合・キューバ代表戦(京セラドーム)で死球を受け左ヒジを骨折してから、かれこれ4か月半にわたってリハビリ生活を続けている森友哉捕手(21)。現在はマシン打撃、ロングティーをこなすなど練習強度も上がり、ブルペンでは二軍投手の球を受けて実戦復帰に向けたステップを着々と踏んでいる。だが、まだ全体の打撃練習に加わる段階にも達していない。

  かねて潮崎二軍監督が「(実戦復帰は)早くて8月後半から9月になるのでは」と言っていたように、3月の骨折のツケは、結果的にシーズンをほぼ棒に振るほど高くついてしまった。そんな中、周囲からは早くも5年目の来季に向けた前向きなエールが送られている。

  ある球団関係者は「ああ見えて野球に対しては真面目な子だから、今の状況は本人が一番悔しがっている。(失敗だと思われている手術回避の判断が)将来的に良かったと思えるように、ヒジにボルトを入れなかった判断が正解だったと思えるような方向になってくれたらいい」としながらこう続けた。

  「(森は)スイングする時に左ヒジを送っていくタイプの打者なので(手術していたら)怖がってスイング自体が変わってしまう可能性があったと思う。復帰してもこれまでの良さが消えてしまっては意味がない。(手術を)回避したのはあくまで本人の判断なので今はそれを応援するだけ。コンバートうんぬんを判断する前に、しっかり捕手として勝負してもらいたい」   遅れた分は結果で取り返すしかない。