ヤクルトが26日の中日戦(神宮)で、セ・リーグでは66年ぶりとなる歴史的な劇的勝利だ。6回終了時の0―10から8回までに同点とし、延長10回に一死走者なしから代打の大松尚逸内野手(35)が右中間へ本塁打を放って熱戦にピリオドを打った。昨オフにロッテを戦力外となったベテランは5月9日の広島戦以来となる今季2本目のサヨナラ弾に「まさかです。うしろに(山田)哲人がいますし、塁に出ようと思っていた」と声を弾ませた。

 勝負強さの源は、古巣でも世話になった福浦和也内野手(41)からのアドバイスだそうで、こまめに連絡を取って「どういう待ち方をすればいいのか」「どういう気持ちでいればいいのか」といった“代打の心構え”を伝授してもらっているという。7月3勝目を球史に残る逆転勝ちで飾った真中監督は「今年は悪い記録ばかりを更新している。いい記録が出て良かったです」と話した。

 10点差逆転勝ちは1949年10月2日に大陽が大映戦、51年5月19日に松竹が大洋戦、97年8月24日に近鉄がロッテ戦で記録して以来、史上4度目のプロ野球タイ記録。ちなみに勝った球団はすべて消滅している。