「山口俊ショック」を吹き飛ばせるか。4位の巨人は25日から首位広島と後半戦初の3連戦(岐阜、京セラ)を迎える。すでに直接対決で大きく負け越し、15ゲームの大差をつけられているが、現場は王者狩りに躍起だ。その背景には、いまだ着地点が見えてこない山口俊の泥酔暴行疑惑が関係している。
チームは24日、3連戦初戦の地・岐阜に移動し、長良川球場で全体練習を行った。
前半戦最後のカープ3連戦は2勝1敗で今季初の勝ち越し。前カードのDeNA戦こそ1勝1敗1引き分けとなったが、そこまで4カード連続で勝ち越すなどチーム状態は決して悪くない。それを象徴するように、今季3勝11敗と圧倒されている広島戦を目前にしても強気だ。
村田真ヘッドコーチは「広島とは14試合終わって3勝11敗。あと11試合やな。今後巻き返す? そらそうや。ノルマとまでは言わんけど、全勝できるように頑張るよ」と威勢よく大号令。普段の3連戦であれば「最低でも2勝1敗」をノルマとする同コーチだが「2勝1敗では足らん。残りを全勝、10勝1敗で終えるのではえらい違いや。まずはカード頭の明日、絶対勝ちたい」と言葉に力を込めながら大幅に上方修正した。
球団は後半戦前のオールスター期間中に、4コーチの配置転換を断行。特に打倒・カープへはなりふり構わぬ姿勢を打ち出し、田畑前一軍投手コーチ(ブルペン担当)を広島専従スコアラーとした。現場には新体制のスタートからコケられない意地もあるが、それ以上にチームの士気を高めているのが皮肉にもFA右腕の存在という。
移籍1年目からまさかの不祥事発覚で、巨人への注目はグラウンド外で現在謹慎中の山口俊の今後にシフトチェンジ。騒動については結果的にこの日も表立った動きはなかったが、東京・大手町の球団事務所には午前中から多くのメディアが詰めかけ、依然関心の高さをうかがわせた。そうした状況に現場の選手やスタッフたちもウンザリ。視線をグラウンドに引き戻すにはリーグを独走する天敵の広島の足を少しでも引っ張り、ペナントレースをかき回すしかないというわけだ。
村田真ヘッドが語った通り、残りの広島戦に全勝すれば対戦成績は14勝11敗。奇跡の大躍進を遂げれば話題の中心となることは間違いないが…。果たしてどうなるか。