<阪神11-1ヤクルト(21日)>12日ぶりの“我が家”でも勝てなかった。ヤクルトは9日の広島戦以来となる本拠地試合で阪神に大敗。今季の両リーグワーストとなる14連敗を喫した。先発ブキャナンは3本塁打されるなど6回7失点と炎上。打線もつながらず8安打で1点を奪うのが精一杯だ。

 0―7の7回は二死から何でもないフライを三塁手・藤井が落球して二死二塁に。直後のロジャースの左前打で、左翼手バレンティンが本塁へ送球するも捕手・中村がブロックしたとしてリプレー検証の末に、コリジョン(衝突)ルールを適用されて1点を失った。

 7月は未勝利で、球団が1970年に記録したリーグワーストの16連敗まで、あと2つ。試合後に警備員と球団職員にガードされながら一塁側スタンド前を通った真中満監督(46)には、当然のようにファンから「辞めろ」とのヤジが飛んだ。

 指揮官は「コメントに困るな」と切り出し「今日はもうしょうがないですから、切り替えていくしかないですね。明日、頑張るだけです」と話したが、仮に連敗地獄から抜け出したとしても状況は大きく変わりそうもない。チグハグなのは一軍のベンチ内ばかりではなく、二軍との関係までもギクシャクしているというのだから深刻だ。

 今季のヤクルトは実績のある畠山や川端、守護神の秋吉といった主力に故障者が続出している。それ自体は仕方のない側面もあるが「選手がケガしても戻ってくるのが遅い。しかも最初に聞いていた日程よりも大幅に遅れている」(チーム関係者)ことから、疑心暗鬼になっているという。

 ロッテが98年に記録したプロ野球ワーストの18連敗も、そう遠い数字ではない。リーグ制覇からわずか2年弱で、ヤクルトはすっかり変わり果ててしまった。